走行距離税はガソリン車も課税対象か?「重量が重いのはEVだけじゃない」

政府の税制調査会にて「(EV車は)ガソリン車よりも重量が重く、道路の損壊に与える影響はむしろ大きいこと」から走行距離に応じて課される走行距離税の議論が浮上しています。

当記事では、走行距離税が実施された場合にガソリン車も課税対象となるのか?について今ある事実をベースに考察します。

気になる方は是非最後までご覧ください。

目次

ガソリン車も走行距離税の課税対象か?

走行距離税の課税対象にガソリン車が含まれるのか、以下の観点から考察します。

  • 走行距離税が検討されたきっかけ
  • 走行距離税の目的
  • ガソリン車とEV(電気自動車)の比率

走行距離税が検討されたきっかけ

走行距離税が検討され始めたきっかけは、自動車のEVの普及に伴う自動車税の税収減です。

自動車税は排気量に応じて課される税金ですので、EVから徴収できません。そこで2018年11月には「2020年以降に、自動車の税制を抜本的に見直す」と報道された通り、走行距離税の検討が始まりました。

その後、走行距離課税の話は息を潜めていました。

しかし2018年の”宣言”通り、2022年10月26日に政府税制調査会にて「かなり踏み込んで、具体的な走行課税について議論することを提案したい」と”走行距離課税案”が再び急浮上したのです。

自動車税の減収が発端だった。

走行距離税の目的

走行距離税の目的は「インフラ整備の財源確保」とされています。

なぜインフラ整備の財源確保が必要かというと、税収が減り続けているにもかかわらず、自動車の台数は増え続けているから、道路の負担に対してインフラ整備費用が不足してくるためです。

インフラ整備の財源は当然、自動車関連税で賄われます。自動車関連の税収の推移を表すグラフは下図のとおりです。

自動車関連の税収の推移を表すグラフ
news23より引用

2007年には7.6兆円あった税収が2022年には5.9兆円にまで22%も落ち込みました。落ち込んだ背景にはEVの普及による自動車税の減収、ハイブリッドカーなど燃費改善による燃料税の減収、エコカー減税があります。

一方で日本国内の乗用車保有台数は以下のように推移しています。

自動車保有台数の推移
https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv0000010qjk-att/01_hoyuudaisuusuii04.pdfを元に作成

車関連の税収推移とは真逆で、一方的に増加する推移をしてきました。

このように、道路への負担(自動車保有台数)は増加し続けている一方でインフラ整備の税収が減り続けているため、財源の確保が必要といえます。

財源の確保は急務。ただし支出の見直しにも期待したい。

ガソリン車とEV(電気自動車)の比率

では、EVだけに走行距離税を課したとして、財源の確保という目的を達成できるのかを考えてみます。

自動車関連税の税収減の原因は

  • EVの普及による自動車税の減収
  • ハイブリッドカーなど燃費改善による燃料税の減収
  • ハイブリッドカーやEVのエコカー減税

などが考えられます。

2022年、日本の保有乗用車台数は約6,200万台、そのうちEVは約14万台です。

EVの占める割合はたったの0.2%に過ぎません。0.2%の人々に、減ってしまった税収1.7兆円(2005年比マイナス22%)の全てを押し付けることはどう考えても無茶です。

EVだけで税収減をカバーするのは無茶。

ではハイブリッドカーまで含めるとどうか?

ハイブリッドカーの台数は1,080万台。日本の保有乗用車台数に占めるハイブリッドカーの割合は約18%です。

18%の人々に、減ってしまった税収1.7兆円(2005年比マイナス22%)を負担してもらうのはギリできそうです。

しかしながら、もし

  • エコカー減税されるけど走行距離税のせいでトータル費用が高い
  • 燃費が良くなったのに走行距離税のせいで維持費が高い

となると、わざわざハイブリッドカーを選択する人が少なくなり、税収は再度減ってしまうでしょう。

この辺りをあらかじめ織り込んで、ガソリン車に負担を求めてくる可能性は十分あると考えます。

あらかじめ反発を見越して、ガソリン車にも負担を求める可能性はある。

「ガソリン車も走行距離税の対象」を正当化する根拠

「EVはガソリン車より重量が重い」としていることから、走行距離税の課税対象はEVのみに限定されていると受け取れます。

一方で、「EVは必ずガソリン車より重量が重い」とは言えません。

たとえばEV軽自動車の重量が1100kg程度であるのに対し、ガソリン車のミニバンは2000kg程度で約2倍です。

「重量が重いから課税」ならば、ガソリン車も課税対象となる可能性があります。

ガソリン車も走行距離税の課税対象か?まとめ

ガソリン車も走行距離税の課税対象か?まとめ

ガソリン車も走行距離税の課税対象となる可能性はあると考えます。理由は以下の通り。

  • 「EVはガソリン車より重量が重いから課税」ならば「課税されたEVより重いガソリン車も課税されて然るべき」
  • EVやハイブリッドカーだけに税収減を負担してもらうのは2022年時点では無茶がある

走行距離税問題は実現が近づくにつれてますます熱を帯びてくると予想できます。今のうちに下記の関連記事を見て時代を先取りしてくださいね。

走行距離課税の単位距離あたりの金額が気になる人は「走行距離課税は1kmあたりいくら?」の記事へどうぞ。

走行距離課税が実現した場合のデメリット・懸念をわかりやすくまとめた記事もあります。よければこちらも読んでみてください。

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