小牧基地オープンベース(小牧航空祭)で飛行するブルーインパルスは「春日井ターン」と呼ばれる旋回を行います。小牧の航空祭でしか見られないターンなのに、「春日井ターンってなに?」「なんで?ターンする理由は?」と知らない人が多く、もったいないです。
この記事ではKB NEWS編集部が徹底調査した「春日井ターン」に関する情報をわかりやすくご紹介します。
小牧基地でしか見られない春日井ターンについて知ることで、小牧基地オープンベースの航空ショーが10倍楽しくなります。ぜひ最後までご覧ください。
小牧ブルーインパルスの春日井ターンとは?飛行経路はこれ
小牧でブルーインパルスが飛行するときに見られる「春日井ターン」とは、小牧市に隣接する春日井市の上空を通過しないように行われる旋回のこと。小牧基地のすぐ近くに小牧市と春日井市の境界があるので、小牧基地から肉眼で春日井ターンを確認できます。
どのような飛行経路で春日井ターンが行われるかというと、上図の通り。おおむね南西から北東めがけて小牧基地に向かってきて、小牧基地付近で折り返し、北西に向けて去っていく飛行経路です。
図では直角に曲がっているように見えますが、実際は緩やかな弧を描いて曲がります。
実際の動画は下の通り。01:30くらいからのターンが春日井ターンです。
春日井ターンが行われることで、春日井市にいながら間近でブルーインパルスの展示飛行を楽し無事ができなくなってしまっています。春日井市は小牧基地のすぐ近くにあるため、飛行機の騒音や墜落のリスクといった普段の貸しをせめて航空ショーで返してほしいという人も多いでしょう。
ではなぜ春日井ターンなんてしてしまうのでしょうか?この記事の続きでご紹介します。
小牧ブルーインパルスが春日井ターンする理由はなぜ?始まりのきっかけ
小牧基地でブルーインパルスが春日井ターンする理由は、春日井市の市民団体の反対抗議です。「春日井市飛行場周辺対策市民協議会」や「愛知県平和委員会」「ブルーインパルスの展示飛行をやめさせる会」という団体が反対している団体だという記事がありました。
ブルーインパルスに反対する市民団体の主張
団体の主張はおおむね、以下の2点です。
- 曲技飛行は危険である
- 許可申請ない曲技飛行は違法である
1982年 浜松基地航空祭におけるブルーインパルスの曲技飛行「下向き空中開花」での事故があるため、ブルーインパルスの曲技飛行は危険であるという主張は理解できます。
2番目の「曲技飛行」については航空法91条で「国交相の許可なく横転や宙返りを禁ずる」に反するのではないかという指摘。市民団体側は「機体が90度以上傾いて飛行しているため横転だ」と主張していますが、航空機の横転の定義は1回転以上することなので、2番目の主張については疑問が残ります。
個人的には、曲技飛行による事故の実績がある以上、曲技飛行は避けるべきと考えます。しかし曲技飛行さえなければあとはメリットしか残らないと考えるので、ぜひ今後もブルーインパルスを飛ばせてほしいと思います。
ブルーインパルスが飛ぶメリットとは、高い操縦技術を見せることで抑止力になること、地域への経済効果、自衛隊員を志願する人が増えることです。
地域への経済効果についてはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
春日井ターン始まりの理由・きっかけは?
小牧基地では古くは1971年から航空ショーが行われてきました。しかし1971年から2015年まで44年間、ブルーインパルスが小牧の航空ショーを飛ぶことはありませんでした。春日井市の反対があったためです。
2015年に44年ぶりに飛ぶことになったのですが、春日井市の市民団体や日本共産党、春日井市長がブルーインパルスの飛行に反対抗議していました。曲技飛行がないにもかかわらずです。
邪推ではありますが「じゃあ春日井市の上は飛んでやらねー!」という判断があったのではないかと考えます。
ブルーインパルスが観れるとなれば、地域への経済効果がすごいですからね。反対してる地域の上を飛ぶ必要はありません。
そんな経緯から春日井ターンが生まれたのではないかと考えます。
単純にショーとしてかっこいいというだけでなく、44年の溜まりに溜まった鬱憤(?)を爽快に吹き飛ばしてくれるブルーインパルスの飛行を見たくなった方は、初心者の99%がハマる罠(渋滞・駐車場など)の簡単な攻略法と、航空ショーを100倍楽しむ方法をこちらの記事にまとめてあるのでぜひご覧ください。
小牧の航空ショーで飛ぶ飛行機って名前を見ても何が何だかわからないんですよね。T-2とか何?って感じですよね。そんな方はこちらの記事にほぼ全ての機種名が画像付きでまとめてあるので観てみて下さい。
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