清掃員芸人マシンガンズ滝沢秀一さんが生ゴミの出し方について「一回だけでも絞ってほしい」とツイートし反響が広がっています。
ツイートの写真ほどひどい水分は出したことがありませんが、水気をできるだけ捨てているかというと……触るのが嫌で正直完璧ではありません。しかし、生ごみを水切りすることで何リットルの焼却用重油が減らせるかの効果を知って「これはやらなきゃ!」と意識が変わりました。
そこでこの記事では、KB NEWS編集部が全力で調査した生ゴミの水切りの効果・水切りグッズ・水切りアイデアをご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、一緒にサステナブルな社会を実現していきましょう!
水分を含む生ごみを焼却すると起こる問題と水切りの効果
まず、水分を含む生ごみを焼却すると起こる問題と水切りの効果をお伝えします。下記はマシンガンズ滝沢さんのツイートです。
生ごみの水切りをしないと起こる問題
このツイートおよび関連ツイートから読み取れる問題点は以下の2つです。
- 水分を含むゴミは水分を含まないゴミよりも焼却にエネルギーがかかる[地球環境の問題]
- ゴミ収集車の板で袋が破裂し、飛び出した水分が清掃員にかかる[労働環境の問題]
生ゴミの水分を水切りし液体をなくすことで、2番目の問題は100%解消するでしょう。疑問なのは水切りすることでどの程度の省エネ効果があるか?ということです。
生ごみの水切りをする効果・減らせる重油の量
結論、生ゴミの水切りをする効果は以下の3つがあげられます。
- 生ゴミの焼却エネルギーの削減
- 生ゴミの運搬コストの削減
- ごみ清掃員の労働環境の改善
日本の全人口が生ごみをギュッと水切りした場合、焼却に必要なエネルギー(重油)をどれだけ減らせるのか?ざっくり計算した結果、なんと1日あたり130万リットルと見積もれました。恐ろしいですね。
以下がざっくりした算出根拠です。「水切りしないとヤバいじゃん!」と思った方は読み飛ばして水切りグッズ・アイデアも見ていってください。
生ごみの含水率を80%とすると、燃焼できないので水を蒸発させるエネルギーが必要になります。水切りすることで生ごみを燃焼できる含水率60%にまで下げられたとしたら、減らせる焼却用の重油は生ごみ1kgあたり30ml(0.03L)です。ややこしい計算・根拠は抜きにしましたが、こちらの報告と比較しても大差ないので大体合ってると考えられます。
次に、1人1日あたりのゴミ排出量は全国平均で約0.9kg(資料)です。生ごみは約40%の比率を占める(資料)ので1日1人あたり0.36kgとなります。
仮に日本の全人口1億2000万人がこの家庭と同じ省エネ効果を実現できたなら、1日あたり130万リットルの重油が減らせることになります。
生ごみの水切りグッズ・アイデア
生ゴミの水気を水切りするグッズとアイデアをご紹介します。
生ごみの水切りグッズ
生ごみの水切りグッズは2種類あります。
- 三角コーナー
- 水気を絞るもの
三角コーナーは生ごみを処理する定番グッズなのでご存じの方が多いでしょう。
メリットとしては簡単に生ごみを捨てられること、放っておけば水切りできることが挙げられます。
デメリットとしては、匂い・ヌメリが出る場合があること、十分に水切りするには時間がかかること、水気を絞るには生ごみを手で触らないといけないことが挙げられます。
水気を絞るタイプの水切りグッズもあります。ギュッとすれば十分な水切りができるので水切りの効果が高く・時間もかかりません。手を触れなくても水気が絞れる利点もあるため、三角コーナーの上位互換的存在です。
また、生ごみを水切りするグッズが自治体によっては無料配布されているところもあります(東広島市など)。ぜひお住まいの自治体をチェックしてみてください。
ゴミのプロ、マシンガンズの滝沢さんがおすすめするゴミ箱グッズについてはこちらの記事でご紹介しています。気になる人は見ていってください。
生ごみの水切りアイデア
生ごみの水切りアイデアは「ゴミを増やさないこと」を制約条件として考案・収集しました。水気をなくすためにゴミが増えていたら本末転倒ですからね。
- そもそも水をつけない
- 生ごみを乾かす
- 自家処理する
- 堆肥化する
「不要な新聞紙に包む」のは生ごみから水気を取ることはできても新聞紙に水気が移るだけなので、環境のことを考える方にはあまりお勧めではありません。清掃員さんに水を飛ばさないという観点では役立ちます。
堆肥化に興味がある方は、下記の動画をご覧ください。家庭栽培の肥料にできるのでお財布にもやさしい処理方法です。
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