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ダンデライオン・チョコレートが伝えるクラフトカルチャーの真の価値。
ダンデライオン・チョコレート

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20.10.21

クラフトチョコレート市場を牽引する、サンフランシスコ発のBean to Barチョコレート専門店ダンデライオン・チョコレート。 2016年に日本1号店を東京・蔵前にオープンして以来、国内でもクラフトムーブメントを巻き起こし、カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行う「Bean to Bar」はチョコレート作りの新しいスタイルとして広く認知されるようになりました。 そのクラフトマンシップを追求する姿勢に共感を得る飲食店も多く、洋菓子店やコーヒーショップを始め、ブルワリーや和菓子店など様々なジャンルでクラフトチョコレートの可能性を広げ続けています。 今回は、CEOの堀淵さんに日本出店の経緯やものづくりの姿勢、ミッションについてお聞きしました。

CONTENTS

サンフランシスコで魅了された、革新的なチョコレート

より忠実に、正確に表現すること。

「エデュケーション」が世界を広げる。

変わりゆく世の中と、変わらない本質的な価値。

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ダンデライオン・チョコレート・ジャパン代表取締役CEO 堀淵 清治さん
1952年徳島県生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、渡米。カリフォルニア州立大学ヘイワード校を中退し、2年ほど山でヒッピー生活を送る。その後、1986年サンフランシスコに出版社ビズコミュニケーションズを設立し、日本の漫画をアメリカへ流通させる立役者となった。2011年には日本のポップカルチャーを発信するNEW PEOPLE, Inc.を創業し、2013年ブルーボトルコーヒージャパンの共同代表を務める。そして2015年ダンデライオン・チョコレート・ジャパンのCEOに就任し、東京・蔵前に1号店をオープンした。

 

 

サンフランシスコで魅了された、革新的なチョコレート

堀淵さんはサンフランシスコのダンデライオン・チョコレートを訪れた際、その在り方に一目惚れをして日本への出店を熱烈に持ちかけたそうですね。どのような印象だったのでしょうか?

とにかくすべてが新鮮だったんです。
全部の製造工程を店の中でやるっていうスタイルは新しいと思ったし、店の造りもかっこよかった。客席で実際に工程を見ながら産地の違うチョコレートのテイスティングをしたんですが、その味の違いに本当に驚きました。

僕はむしろチョコレートって全然食べない方だったんだけど、そこで食べたものはすごくおいしいと感じたんです。
材料はカカオ豆とお砂糖だけですよ。そんな至ってシンプルな材料と工程によってこの板チョコができあがるのだと知って、もう目から鱗というか。

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2010年、IT業界で企業家をしていたトッド・マソニス氏とキャメロン・リング氏が、友人のガレージを借りてチョコレートの実験室を作ったことがダンデライオン・チョコレートの始まり。
2人は試行錯誤を重ねてチョコレート作りに没頭し、2013年サンフランシスコにファクトリー&カフェを開くとその革新性が受け入れられ、パイオニアとして業界をリードする存在となった。

その頃ちょうど『ブルーボトルコーヒー』の日本への出店を手がけていて。ブルーボトルコーヒーでは、コーヒー豆を原産地から直接調達して社内で焙煎などをすべて行い、手作業で一杯一杯淹れるということをやっていました。
カカオ豆でもそれと同じようなことがあるんだという驚きと発見もあって、ダンデライオン・チョコレートに強く惹かれましたね。

当時のサンフランシスコには、Bean to Barのチョコレート屋というものは他にもあったのでしょうか?

ほぼゼロだったと思います。
アメリカ中で見れば何十社もあったんですけど、いわゆる街の雑貨屋さんのような小さいお店が多くて、規模を持ってやってるところはそんなになかった。

好きで始めていつかうまくいけばいいなってことではなく、シリコンバレー的に投資を集めて、ビジネスとして成功させる意気込みでやっていたのはダンデライオン・チョコレートくらいじゃないかと思います。

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チョコレート屋でもあり、スタートアップ企業でもあるわけですね。
日本ではまだあまりBean to Barが認知されていなかったと思うのですが、出店することについてどのように考えていましたか?

そもそも、日本はクラフトカルチャーの国みたいなところがある。

例えばコーヒーで言えば、喫茶店のマスターがコーヒーを一杯一杯淹れるのもクラフトだし、そういう職人気質な文化だらけなわけ。ただ、それが日常に溢れすぎて当たり前になっているから、日本人は自分でそのおもしろさに気づいてイノベーションしようとする力があまりないのではないかと。
だから、良いものの本質を発見して、ちゃんとコンセプトをつくってわかりやすく伝えたら受けないわけがないと思いました。

チョコレートだって100年前から同じ作り方をして食べてるわけだから、全然新しいものじゃないんです。
100年前のチョコレートの作り方をBean to Barと名付けてビジネスというシステムをつくること、コンセプトをつくって洗練すること。フードで言えば、それが「イノベーションする」ということだと思います。

 

 

より忠実に、正確に表現すること。

日本1号店の出店場所に蔵前を選んだのはなぜでしょうか?

ものづくりの街やある程度人のつながりがあるコミュニティがいいと考えていたので、東京の東側は一番おもしろいなとずっと思っていました。
ある程度の広さもあるし、自然環境も重要だったので目の前に公園があるこの場所を見つけられたのは非常にラッキーでしたね。とてもご縁を感じています。

元あった倉庫をリノベーションするには、一から建てた方が安いんじゃないかと思うくらいお金がかかりますが(笑)
やはり「古いものを残しつつ、新たにかっこいいものに改良していく」っていうところに価値があると思います。

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海外で生まれたブランドを日本で展開するにあたってどのようなことを意識されましたか?

トランスレーション・・・つまり「翻訳」をして、できるだけ忠実に表現することですね。
出版社で仕事をしていた頃、日本のマンガをアメリカに持っていって英語に翻訳する、という作業をするなかでたくさんの学びがあって。

なので、サンフランシスコのダンデライオン・チョコレートの在り方、運営の仕方、デザイン、製造方法とか、あるいはコンセプトの表現の仕方や見せ方っていうものも、日本に合わせて変化させるのではなくそのまま正確に伝えようと考えてつくりました。

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蔵前店は、職人の丁寧な手仕事を間近で見られる一方、スタッフの明るく親しみやすい接客が印象的で、お客さまもリラックスしながらチョコレートを楽しんでいるように感じました。
そういった雰囲気もサンフランシスコの本店を「翻訳」されているのでしょうか?

そうですね、そこはある程度意識的にしました。
僕自身、最初にアメリカに行った時に強いカルチャーショックを受けたんです。カジュアルで、自由な気質があって、すごくおもしろいと思った。
そういう雰囲気ってお店にも表れるし、最初から堅苦しいのはやめようと意識していました。

だから制服もなくて。「自分が心地よいと思う格好で来てください」と言っています。
ルールに従ってみんなで揃えるとかじゃない、そんなアメリカの自由さ、カジュアルさを伝えたいなと思ったんです。その意識がスタッフのみんなにも伝わっているんだと思います。

お店の形式だけでなく、空気感やカルチャーまでも忠実に表現されているのですね。

サンフランシスコと日本のダンデライオン・チョコレートのエクスチェンジプログラムにも取り組んでいて。
お互いにスタッフを交換し合って研修するとか、そういう交流も頻繁にやっているので、スタッフがアメリカの雰囲気を自分の肌で感じられる環境があることも理由の一つだと思います。

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「エデュケーション」が世界を広げる。

なぜダンデライオン・チョコレートはファクトリーとカフェの一体型店舗というオープンな環境で製造を行うのでしょうか?

そもそも“クラフトカルチャー”というもの自体が、一つの大きい社会的な運動。
言わば、大量生産・大量消費される商品や文化へのカウンターカルチャーだと考えています。なかでも大きなエコシステムをつくることがクラフトの本筋だと思っていて。

そのための一つが、生産者が作るところからお客さまの口に入るまで、すべてのプロセスを透明化して見せること。

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口にしているものは一体何なのか、どのように作られているのか・・・。自分の知らなかったものを理解することで、本当の価値に気づけるのですね。

ダンデライオン・チョコレートで特徴的なのは、どこの農家で誰と話していくらで買ったのか、どのように豆を運んでいるのかって、購入ルートや原価すらすべてオープンにしているところ。どんな機械を使って、どのようにやっているかという製造過程やノウハウも全部お見せしています。

「知識をシェアする」ことがクラフトカルチャーの一つのアイディアだと思うので、ダンデライオン・チョコレートにとっても大事なコンセプトであると考えています。

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本来であれば企業秘密であったり、あえて公表しないような情報も見えるようにしたりすることにリスクはないのでしょうか?

チョコレート業界とクラフトチョコレート業界っていうのは別物なわけですよ。そういう意味では、僕らは今まったく新しい業界をゼロからつくっている。
ゼロからつくるのに、僕ら一人だけで抱え込んでやっているのはダメなわけで、とにかくみんなで知識をシェアして、いろんな人がこの業界に入ってこなきゃいけない。どんどんこうやってシェアする会社が出てこないことには産業自体が広がっていかないんですよね。

だから、僕らのブランディングの中心に置いている考え方は「エデュケーション」ということです。

クラフトカルチャーの意義を発信し、ノウハウをすべてオープンにすることが業界の活性化につながると。

Bean to Barとはどういうものか、クラフトムーブメントとはどういうものか、クラフトのエコシステムとはどういうものか。そういった知識をシェアすると、それを受けて自分でお店を始める人が出てくる。それがチョコレート屋でも、パン屋でもコーヒー屋でもなんでもいいんです。

知識やコンセプトを広げることで、業界や市場をつくっていく。クラフト市場のなかで一番その作業にリーダーシップを持って取り組んでいる会社は、ダンデライオン・チョコレートであると自負しています。

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最近では大手企業もBean to Barのチョコレートを売り出すなど、以前よりクラフトチョコレートを扱うお店が増えてきたように感じます。

いや、もっともっと広がらなきゃいけないね。
明治のBean to Barチョコレートが売れた時、彼らがこのファクトリーに来て話し合いをしました。僕も明治の工場まで見学に行ったんだけど、すごくおもしろかった。
その時、僕ら少量生産である「スモールバッチ」とは生産量の路線が大きく違うものの、チョコレートに懸ける意志や想いは同じなんだなと実感したんです。

知識をシェアするという意味で、そこには別に企業の大きさや、個人店とかによる差はまったくないので、みんなに対して同じポジションで接してシェアすること、それが重要だと思います。

 

 

変わりゆく世の中と、変わらない本質的な価値。

今年は新型コロナウイルスの世界的流行によって社会情勢も大きく変わりましたが、どのような影響がありましたか?

やっぱりオンラインの需要が急増しましたね。なので、オンライン向けの商品開発が一気に加速しました。もうアクセルがボーンと飛んでしまった感じです。

コロナの影響は数年続くだろうけど、僕らのビジネスの寿命の中ではこの数年というのは非常に大きいわけで。どうやって生き残るかを考えると、BtoCもっと言えばDtoCのビジネススタイルに寄って行くんじゃないかなという感じはしますね。

今後の課題についてはどのように考えていらっしゃいますか?

みなさんも苦労しているところだと思いますけど、リアルなものがあるっていう空気感をどうオンラインで伝えるかがすごく難しいですね。

僕ら“人”がチョコレートを作っているという肌感覚をお客さまが感じられないと、AIやコンピューターが作っているみたいなイメージになってしまう。そうならないために、我々のうしろにはこんなにおもしろいストーリーがあるんだと知ってもらうことがブランディングとして非常に重要です。

そういう意味でも、より一層エデュケーションに力を入れる必要があると考えています。

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突然の変化に対して、何を変え、何を変えないか。新たな在り方がそれぞれ問われていますね。 ダンデライオン・チョコレートさんからは揺らぐことのないクラフトマンシップを強く感じました。
それでは最後に、KITCHEN BROTHERSを見てくださる飲食店のみなさまへメッセージをお願いします。

今はコロナの前提があって、そこからしか物事が語れないわけですが、「本質的なものの価値」がますます顕著になってくる世の中になるのではと考えています。

我々は、ダンデライオン・チョコレートのものづくりやビジネスの本質がおもしろいと思って始めました。
単にスイーツを作っている会社というわけではなく、その背景にある地球環境問題、食料問題、経済などすべて含めて見てこうしたクラフトビジネスが重要であろうと。
つまり、もう大量生産・大量消費の時代じゃないだろうと。
少量生産で、価値のあるものをきちっと見つけて、長くサスティナブルにやりましょうという流れではないでしょうか。

そういった考え方がビューティフルでおもしろい、と思って商品を作っているので、 我々のコンセプトに賛同してくださる店舗さん方がいれば、どんどんつながりを広げてお付き合いをしたいと思っています。

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ダンデライオン・チョコレート

ダンデライオン・チョコレート

トッド・マソニスとキャメロン・リングによって2010年に創設。

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