カカオ本来の風味が味わえる、高級なクーベルチュールチョコレートとは

クーベルチュールチョコレートとは、製菓用のチョコレートのこと。クーベルチュールは、フランス語でcouvertureと記され、「カバー」という意味です。製菓の仕上げに、チョコレートで覆ってコーティングすることからそう呼ばれています。
カカオの油脂分を多く含んでいるため、温めて溶かすことでサラサラとした状態のチョコレートになります。サラサラとした流動性の高いチョコレートは伸びがいいため、より薄くコーティングすることが可能になります。
また、密度の高い状態で固められることから、見た目もツヤがある綺麗なチョコレートに仕上げることができます。
国際規格で成分が厳格に定められている

チョコレートやチョコレート製品には、「コーデックス規格」という国際規格があります。
コーデックス規格は、消費者の健康の保護や食品の公正な貿易の確保などを目的として、1963年に策定された国際食品規格です。国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)により合同で設置されました。
このコーデックス規格では、「クーベルチュールチョコレートは、乾物ベースで、総カカオ固形分 35%以上、うちカカオバターを 31%以上、無脂カカオ固形分 2.5%以上を含有するものとする。」と定められています。
しかし、日本で販売されているクーベルチュールチョコレートの中には、この国際規格を満たしていないものもあるので、購入する際にはしっかりと成分を確認することをおすすめします。
クーベルチュールチョコレートとチョコレートの違い

一般的なチョコレートもコーデックス規格によって成分が定められています。
規格では、「チョコレート(地域によりビタースイートチョコレート、セミ・スイートチョコレート、ダークチョコレートあるいはフォンダン・ショコラの名称)は、乾物ベースで総カカオ固形分 35%以上、うちカカオバターは 18%以上、無脂肪カカオ固形分 14%以上を含有するものとする。」とされています。
つまり、クーベルチュールチョコレートとチョコレートとは、カカオバターの含有量が異なります。油脂(カカオバター)の含有率が高いと溶かした際に伸びがよいので、一般的に製菓用としてクーベルチュールチョコレートが使用されているのです。
クーベルチュールチョコレートの保存方法

チョコレートはとても繊細で急激な温度変化に敏感です。特に、クーベルチュールチョコレートは鮮度が風味に大きく影響するので、密封できる容器で保存をしましょう。
チョコレートの保存に適した温度は15〜18℃くらいなので、直射日光が当たらない冷暗所で保管を。冷蔵庫で保管する際には、野菜室など温度が下がり過ぎないところで保存します。風味は徐々に落ちるので、開封後は1~2か月で消費することがおすすめです。