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吉田 恒

私立珈琲小学校OWNER

小学校の教師として21年間勤務。
食の専門学校等で学び、池尻大橋に期間限定で「私立珈琲小学校」を開校。
2016年7月より、代官山LOKO GALLERY 1Fに新校舎をオープン。

「先生、質問でぇす。明日のおやつはいくらまでですか?」
「明日は、社会科見学なので、働いている人たちのところに伺うので、お弁当と水筒だけですよ。」

「え~!!」と子どもの頃、がっかりした覚えがあります。

 実際に教員として働いている時、子どもたちがきちんと社会科見学の意味を理解していたので このやり取りはなかったのですが…僕は大人になってからというもの、社会科見学が大好きでした。

 なぜかというと、その道のプロフェッショナルの人に実際に話を聞き、その上、仕事まで直接見せてもらえるからです。

 珈琲屋になった今も、仕事やケータリング先で出会うプロフェッショナルな方達の話は、とても面白く、そして自分の仕事を省みて、明日は!明日も!いや明日こそ頑張ろう!と思えます。

 という訳で本題です。
私立珈琲小学校の代官山校舎のカウンターに「A CUP OF COFFEE BRINGS NEW IDEAS」というかっちょいいポスターがあります。このポースターはみどり荘でお世話になっているデザイナー・大西さんの作。それを神楽坂にあるRECLAIMED WORKSさんにお願いして額装していただきました。

  額装に使われている木は、なんと1800年のものだそうです。樹齢〇〇〇年の木を切り倒して持ってきたのではなく、家屋や工場などで使われていた古材(Reclaimed Wood)を、オレゴン州ポートランドから運んできたそうです。

 解体や立て直しなどで、多くの古材が出ます。木のプロ達はそれを見逃さないようです。
例えば、古くなったボーリング場の解体工事。ボーリング場のレーンで使われている木は、メープルなのだそうです。重くて硬く、衝撃にも強く、摩擦にも強いらしんですよね。
重いボールの衝撃に耐え、日々のメンテナンスで磨き上げられた木のレーン…古材好きでなくとも欲しくなってしまいます。

 アメリカの東部と西部、北部と南部では、それぞれ自生している木々も違うようで、西海岸のように家やお店を作ろうと思ったら、デザインだけでなく、そこで使われている木材を使うとその空気感がきちんと出せるのだそうです。
木のプロ達は、お店や家を作る時、そこまで想いを巡らせているようなんです。

 RECLAIMED WORKSさんから伺う話は、驚きと発見がたくさんあったのですが、一番心に残ったことは「僕らは、廃材って言いたくないんですよね。木は形を変えて、時間を超えて、ずっと活きていけるものだから。」という言葉です。

 一方向からしか物事を見ていないことが、僕にはよくあります。洋の東西を超え、時間を超えて、物事の価値を見抜いていくプロの人の「眼」に触れると自分の小ささと痛感するのと同時に、自分の目指すべき方向も見えてくる感じがします。

 原宿に開校した「私立珈琲小学校音楽室」の内装は、RECLAIMED WORKSさんにお願いしています。僕では見えなかった風景を創っていただきました。
木の植木鉢に囲まれた人形の写真は、RECLAIMED WORKSさんで最初に打ち合わせをした時のコーヒーカウンターのイメージ図です。もうこの時点から、僕らが望む、そしてあの場所に合う「カウンターのカタチ」が見えていたんだなぁと今更ながら驚きます。
原宿校舎に登校して、古材を使ったカウンターやベンチを。是非、見て、触ってみてくださいね。

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高校時代の友達にバイクが大好きなヤツがいました。僕もバイクが好きでした。
そいつと僕には決定的な違いがありました。

それは「バイクをいじることができるかどうか」でした。

道具箱から、様々な工具を出し、エンジンをバラし、部品やオイルを交換したり、清掃したりし て、元通りにバイクを組み立てていく...
「なんてすごいヤツなんだ!」とひたすら感心していました。
故障かな??と思った時も、まずは彼に相談してから...でした。
仕組みがわかっているっていいですよね。

スマホや様々なアプリや、世の中における様々なこと... 案外、その仕組みがわかってないことってありますよね。
というか僕にはたくさんあります。

珈琲屋が、毎日使っているエスプレッソマシン...これも案外、仕組みを知っている人は少ないの ではないか...
というより、僕は知らないことが多かったので、授業を企画して学ぶことにしまし た。

という訳で「レバーマシンを使ってエスプレッソを抽出しよう」という単元を作りました。
講師にお迎えした土屋さんは、バリスタ、ロースター、そしてメンテナンスもできるエンジニアと して国内外で活躍しているCoffee Man。

現在はレバーマシン専門店「Steam Piston Brewing」を開き、様々なマシンのメンテナンス、レバーマシンを使ってのイベント出店などをしています。
土屋さんに、エスプレッソマシンの構造、普段使っているエスプレッソマシンの中身では、どんなことが行われているのか...それを家庭用レバーマシンLA PAVONIを使って学びました。

・マシンの中の水・お湯の流れはどうなっているのは
・コーヒーの粉に、どうやって圧力がかかっていくのか
・安定した抽出をするために、どんなことに気をつけたらいいのか等々

実際にマシンを動かし、抽出する中で教えていただきました。
7名で夢中になって抽出をしていたら、あっという間に3時間が経ってしまいました。

受講後、考えたことは「飲水思源...水を飲む者は、その源に思いを致せ」ということでした。
生産者、インポーターやエクスポーター、焙煎士の皆さんたちへの敬意は、全ての珈琲屋が持っ ていると思います。

今回、レバーマシンを操作させていただいたことで、その美味しい珈琲豆を抽出する道具や機械 を作ってくれている方や修理してくださる方への「感謝」を改めて感じることができました。
土屋さんには、定期的に授業をしていただく予定です。
是非、みなさんもご参加ください。

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暑い...暑過ぎますね。
こんな日は、冷たいビールに枝豆でプハーといきたいです。
ところで皆さん、ビールはジョッキ派ですか。それともグラス派ですか。

僕は断然グラス派、それも「うすはり」派です。

自分の口の中に入ってくる液の量 をコントロールしやすいですもんね。唇がグラスに当たる感じや、液体の質感も感じやすくなるな と思います。
珈琲も器って大切だなと思います。香りが感じやすくなったり、液体の質感を感じやすくなった りと、同じ液体でも味わいが変わりますよね。

去る7月14日の土曜日に、神宮前にあるギャラリー併設のキュレーション型セレクトショップ 「Graphpaper」さんにて開催された、器作家「吉田直嗣」さんの個展で、直嗣さんの器に珈琲を淹れさせてい ただきました。

直嗣さんの器は、硬質で、でも滑らかで美しい見た感じと、実際に手に取ってみた時の心地よい 重量感と、何より使うとわかる気持ちよさがあります。
珈琲カップや湯呑みは、どれも驚くほど 薄く、でも丈夫で、中の液体を存分に味わえるものです。 いい器は、注ぐ液体をより美味しいものに変えていく力があるのかもしれません。

それだけでなく、器の周りの風景も変えていく力もありますよね。
この器に合うテーブルはどんなものかな。この器を使って誰と飲もうとかな。この器を使って飲んでいる時はどんな音楽をかけようかな。
いい器を持つとそういうことにも、想像を巡らせてしまいます。

勿論、僕も紙コップを使いますし、ペットボトルの時もあリます。
ただ、Graphpaperさんの洗練された空間で、吉田直嗣さんの素晴らしい器に、珈琲を注いでい るといい器の持つ力を強く感じることができました。

日常を豊かにしてくれる器、器作家さんに出会えると何かが変わりますね。
珈琲小でも吉田直嗣さんや小澤真奈美さんの器を使わせていただいてます。 皆さんの珈琲時間がちょっと楽しくなる...そんな器に珈琲を注ぎたいと思います。

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