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宮本 吾一

Chus OWNER

2010年那須にて地元農家に協力してもらいながらマルシェをスタート。
2012年マルシェを「那・須・朝・市」にバージョンアップ。
2015年マルシェとダイニングが一体になったChus(チャウス)を開店。
2018年より「バターのいとこ」の製造・販売も行っている。

18.12.10.10:38

越田商店の鯖

Chusは月に一度のお休みをいただき、その日はChus店内のお掃除やメンテナンスなどに使ったりしていますがもうひとつの目的としてスタッフでゲストハウスや料理店、そして何より生産者さんに逢いに行く日にしています。

今回の目的地は茨城県は波崎。
川向こうには千葉県銚子があるので千葉と茨城の県境の街です。

Chusでも鯖サンドや焼鯖定食として扱わせてもらっていますが、「香熟漬け」と名付けられたその鯖の干物は、食べると爽やかな酸味、熟成したお味噌のような風味が鯖独特の旨味に加わっていてとても美味しいのです。

店主の「越ちゃん」こと体格が良く恵比須さまのような笑顔でいつも迎えてくれます。

先代より受け継いで47年。塩と鯖から出てくる旨味エキスだけで出来た漬け汁。
越田さん本人も全国を探してもこうして漬け汁を守っているのはほとんど知らないそうです。

この漬け汁。乳酸菌などの発酵菌が元気にいるそうで、これに漬け込むことで鯖のタンパク質がアミノ酸、つまり旨味に変わっていくという。
お味噌やお酒などと同じで自然由来の素晴らしい摂理を使った発酵食品です。

越ちゃん曰く「この間来てくれたときよりうめぇだろ」とのこと。
毎年日を重ねて美味しくなっていくなんて、本当に素晴らしいです。

シンプルな設えの加工所には長年使い込んだ道具達が美味しさを物語って居る気がします。

約1年半に一度買い替え無ければいけないほど。計算したら約40万匹を捌いてる。
鋼の包丁が写真のようにだんだんと細くなっていくそうで巻いてあるさらしもだんだんと堅く木のようになっていました。
丹念に研いだそれはまるで日本刀のような美しさ。

三枚におろされたあとの中骨たち。
捨てられるものなのになぜだかとても美しい。

仲間のシェフに餞別の言葉として送った言葉。

魚と漬け汁。

越田商店さんはこの二つの素材だけで仕事をしています。
「この漬け汁は捌いた鯖からでるエキスと塩だけでできてる。だから鯖を捌かないとこの漬け汁もなくなっちまう。
つまりはお客様が食べてくれないとこの仕事もできなくなっちまう。だからこの漬け汁はみぃんなで作ってるんだ。感謝だよ。」

とまっすぐな笑顔で仕事への想いを僕らに教えてくれた。
この言葉がなんだかとっても響いた一日でした。

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こんにちはChusの宮本吾一です。

Chusはダイニングの機能もあり、通常営業ではレジデンツのシェフが毎朝生産者さんから預かった食材をなるべくシンプルに、特にごはんや味噌汁に合うような料理を心がけています。
まぁ地域の食堂なんかになれたら嬉しいなと僕らはここを「Table」と呼んでいます。

毎日生産者さんから野菜が届くので定休日を作ってしまうと野菜がお客様に届く機会が少なくなってしまう
でもスタッフも休まない訳にはいかない。
少ない人数でお店を回す矛盾から出た答えは

「じゃあ週に1度、キッチンを開放していろんな人に料理だしてもらおう。」

となんとも飲食店ではありえない事に挑戦しました。
毎週木曜日は知り合いのシェフやめっちゃ美味しい家庭料理つくれる人(つまり主婦。昔友達の家に遊びに行ったりして、たまにすげー美味しいお母さんがいる家庭ありませんでした?そういう人です。)に頼んで週替わりで厨房に立ってもらいました。

そうするとその料理人の仲間がおもしろがって来てくれて普段Chusに来ないような人の入り口になってその輪は広がっていきました。
まさに苦肉の策からの瓢箪に駒。
でも「どうせなら巻き込んじゃえ」的なムードが良かったのかなと思います。

今ではキッチンも交代で休めるようになったので毎週は開催していませんが、そこからでたイベントで西麻布の「レフェルヴェソンス」や富ヶ谷の「PATH」といった日本でも有数のレストランやビストロにPOP-UPレストランをやってもらえるようになりました。(まさか最初からこうなるとは夢にも思ってませんでしたが)

マルシェから生まれたお店ならではの感覚。
元はと言えば、ただただ生産者さんへのリスペクトという事を協力してくれている人達が共感してくれたからではないのかなと思います。
*添付した動画は昨年開催したPATHとのPOP-UP レストランの様子です。


そして来年1月は代々木上原の「sio」と国領の「Don Bravo」が共同でのポップアップレストランを開催します。
一日限りのイベントですが東京の食文化と地方の素材を掛け合わせた素晴らしい時になります。
詳細はこちら

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18.11.16.11:38

江連さん

Chusは月に一度だけお店を閉めてスタッフみんなで生産者さんの畑や作業場に勉強させてもらう日を設けています。

今回は無農薬の苺をつくる江連農園さんへ。

江連さんはもくもくと苺を箱に詰める作業。
山積みの発送業務を傍らに丁寧に栽培方法や苺について説明してもらいました。

で、どうしても食べたかったこの未完熟の白い苺。
数年前、世界一になったレストラン〈 noma 〉が日本でポップアップをしたときにも使用されたものを試食させてもらいました。
味は想像通りに甘さはあまり感じられず、食感の堅さをかんじつつも意外と青臭くなく嚙んだあとにやさしい酸味が遅れて感じられます。

江連さん曰く、「この苺に、完熟の苺でソース作ってかけてたべたらうまい」とのこと。
その後農園を案内してもらい、畝の高さが通常の倍にしているので水はけが良く根が良く育ち株が健康になるのだそう。
その分水やりの頻度が倍の手間がかかるのだとか。

とにかく手間をかけて育てているのにスーパーで売っている価格とさほどかわらない。
売り場では見えない生産者さんの情熱が垣間見えました。

江連さんはいちいち手間のかかることを進んでやってらっしゃいます。
これは売り場ではなかなか見えないモノ。
だからこそ僕らが理解して伝えなくてはいけないのだと改めて感じることが出来ました。

「手間をかけるコト」

料理の仕込みや掃除、そして接客。
お店でも通常では見えない所にいかに手間をかけられるのか、そう、土作りのように。
良いモノは見えないコトから始まります。

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18.11.07.15:15

「 手 」

ChusのHPで最初に出てくる画像は「 手 」です。

手のひらにはたくさんのしわと傷。
厚い手の皮。
爪には土が入り込んでいます。

この手の持ち主は那須の生産者さん。
この両の手が時間と手間をかけて作られている作物を僕らは食べています。

Chusをはじめてたくさんの人と繋がって本当にさまざまな事をやってきましたが
やはり原点はこの「 手 」と繋がっていきたいなぁとおもいまして
それが見える形にできたらとの想いで、畑で写真を撮らせてもらいました。

一見、当たり前に店頭に並び、料理の食材が手に入り
お客様に安定して届けられているように感じてしまいがちですが
実は本当に努力されて届けてもらっているのが、この手が語っているように感じることができました。

関係してくださっている生産者のみなさま。
本当にありがとうございます。
感謝していただきます。

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18.10.26.11:54

シュウラク

Chusの宮本吾一です。

東京から那須へ移住して18年になりますが
2011年震災の年に仲間で建築士、そしてChus設計管理もやっている建築士の一家と一緒に、二世帯でこの地に家を建てました。

「駅から徒歩1時間52分」
黒磯というローカルの最寄りの駅から10kmも離れたそんな場所で暮らしはじめて早7年。
昔で言う、「長屋」。
こども達が一緒に遊び、お互いの家族の留守を預かるように支えあって生活しています。

そして今年2018年には
Chusで一緒に働く2世帯がさらに隣に家を建てます。

一人は店長をやってくれ、もう一人はシェフです。
「チャウスの集落」これで4世帯目です。
あくまで現在進行形ですがよくある地方に移住するという形とすこし違う。

一つ屋根の下で子供たちが一緒に遊び、作ったお菓子や料理をシェアして、庭で火を焚いて囲む。

Chusを軸に田舎の大変なことはみんなで協力しあって乗り越えて
田舎の楽しいことやゆたかなものは分かち合う。
暮らしと仕事、どちらもコミュニティを結ぶことでさらにおもしろくなるのかなと思っています。

那須は悪く言えば中途半端な田舎ですが 学校や病院、新幹線の駅などが近くにあり
SHOZO COFFEEさんなどの素敵なカフェがある街並もある。
それでいて自然のなかで暮らせるのだから僕はとても満足しています。

田舎暮らしにあこがれる人もいると思いますが
自然の中で暮らすのに必要なのは実はその反対側のインフラとコミュニティが近くにあることだと思います。

 山々を望む地形。 左手には県道が走り(上下水道、電気などのライフライン)、歩いて3分で東京行きのバスの停留所、スーパーマーケット、ガソリンスタンドがあります。 温泉街まで車で10分。街までも10分。

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18.10.02.11:37

社内通貨

こんにちは。Chusの宮本吾一です。

今回はこちら。
「社内通貨」、大きい意味では「地域通貨」と同義語です。

昨年の春よりChusの中だけで使える地域通貨を始めています。
スタッフはお給料(円)の他に社内通貨「チャウス」(1円=1チャウス)を毎月受給していてチャウスの中のあらゆるサービスやモノと交換できる仕組みです。

「円と何が違うの?」と良く聞かれますが
チャウスを発行することによりChusの中だけでの制約を生みます。

例えば
毎朝直接届けてくれる生産者さんの野菜やお米などの地産の食品。
それに全国から届く持続可能な取り組みをしている食材や調味料などが置いてあります。

でも、スタッフや家族からすると
「良いのはわかるけどちょっと高いよね」的なものばかり。

それが、社内通貨を発行することによって「どうせなら試してみる?」的な「能動的な消費」に変わりました。

チャウスに置いてくださる想いのある作り手の人達を無理なく自ら買い支えする意識が生まれて、お客様にも堂々と使用感を伝えることができる良い循環が生まれています。

チャウス通貨は「通帳型」で写真のように毎月お給料日にスタッフ自ら手書きで発行します。
だから家族にも使えるようになっているので一番喜んでいるのはスタッフのパートナーではないかなぁ。

錬金術にならないのは発行する時と、レジを通す時は必ず第三者にサインをしてもらっているから。
今の所まったく問題なくむしろ使うときにとても温かい気持でお買い物ができます。

この動きですが誰かが疲弊する消費ではなくて持続可能なものに今の所なっていますがきっとそれはごくごく「小さい地域」の中のだから。
「チャウス」が大きくなっていくのではなくて、またそれぞれのコミュニティで身の丈にあった地域通貨が出来ればいい。

小さい地域の中で消費を回していく意識が生まれることが何よりも大事だと思うのです。オス。

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こんにちはChusの宮本吾一です。
今回はChusの働きかたについて書きます。

よければ前回の「週休二日に挑戦します」と
合わせて読んでもらえたら嬉しいです。

Chusの業務は

①食品販売店(Marche)
②飲食店(Table)
③ゲストハウス(Yado)

そして今年は「バターのいとこ」の
④菓子製造を加えました。

 Marche

 Table

 Yado

 バターのいとこ

ひとつのお店でどうしてこんな多岐にわたる事業をやるかと言うと、いろんな意味があるのですが
(全部説明すると日が暮れるので今回は端折ります)

一番の意味は、「暮らしをつくること」に挑戦しているからです。

「暮らしをつくる」って?
僕らが住むこの那須地域は地方特有の小さい商圏(人口は11万人) の中で商売をしています。
その中でいわゆる平均年収、20代のスタッフが300万円、30代のスタッフが400万円の年収を取るのは容易ではありません。

もちろん賃金だけがすべてではないですが、人は必ず歳をとります。歳を重ねればお金の使い方は趣味から実用へと変化していきます。
例えば家庭を持ったり、家族が増えていくことに喜びをもてる為には欠かせない、考えなくちゃいけないことです。

もし仮に飲食店だけでこの数字(400万円)をとるとすれば、
通常の人件費率30%で考えて行くと、年間で一人あたり1333万円を稼ぎ出さなければならず、
それって一日あたり5万円/人の売上が必要です。
(*1年間で約100日お休み、260日で働いた場合)

一人あたりで5万円をかせぐコトってどのくらい大変か。

仮に3名働くとすると15万円/日

例えば、ランチを1000円で食べてくださる方が80名で8万円。
ディナーを3000円で食べてくださる方が25名で7万円。とか。

たった三人で買い出しをして、掃除をして、料理をして、運んで、洗い物して・・・
80人のお客様を3名だけでもてなすことはとても不可能に近いと思います。
(そもそも毎日80人のお客様がコンスタントに来るお店はなかなかないですが)
きっと可能なのは高級な料理店か、お酒をおすすめするお店かでしょう。

400万円って高望みした収入だったでしょうか?

しかし飲食業だけだとそこも厳しいのが現状です。
だから結果20代〜30代でしか働けない業種として扱われてきていますよね。

でも、ヨーロッパのカフェやレストランでは初老のギャルソンが「ビッ」と最前線で構えてたりして。
それがお店の顔にもなっています。

これはチップやサービス料などが良い人材を下支えしている制度だからだと思っています。
チップやサービス料はないけど、日本にもそんな場所があればいい。
好きなことを歳とってもやっていたいと思えることができたらいいなと。

そこで考えた末に出来た形が店舗の中に複数の事業を絡ませるマルチ タスクです。

一人のヒトが複数の業務を効率よくこなせば、最終的には歳を重ねても働ける場所ができるのではないかなと思っています。

Chusはまだ4年目でして、まだまだ不完全で、うまくいかないことばかり。
当然、スタッフには2つ以上のコトが役割として与えられるので苦労をかけていますし、完成するのにはまだまだ精査していかなえればいけないことばかりですが
地方でこれを挑戦することによって見えてくる可能性、新しい働き方=暮らしがあるのではと信じています。

「暮らしをつくる」ことはヒトそれぞれですが、大きな声を持つものが当たり前にするのではなくて、
小さくても知恵をこらしてゆたかな暮らしを見つけることができたら素晴らしいですよね。

Chus 宮本吾一

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電通の問題から明るみになったように見える労働時間の問題。

電通で働いていた友人の話からも同様に聞こえてくる、

「明け方タクシーで帰って、朝普通に出社する。それで休みは月に数回」

みたいなの。

実はこれって飲食業界では同じ様な問題でして、一般的なお店はランチ、ディナー、週一定休日。
一般的には下記の様な工程だとおもいます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

9時ころから仕入れで動き
10時に店に行き、仕込みや準備
11時ころからランチ開店して
14時ころに一度クローズ、
賄い作って、少し休憩して
16時ころからディナーの準備
18時からオープンして
22時くらいにお店しめて後片付けして
24時くらいに帰宅。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝9時から24時まで14〜15時間くらいの日常。

そのまま帰るのも切り替わらないのでそこから呑みに行ったり。
週に一度の定休日だって勉強したい意欲のある人は他のお店に食べに行ったり、研修しにお店に働きに出る人も。

まぁこれはあくまで一般的な話でいろんなやり方があるとはおもうけど個人でやっている飲食店が一日8時間、週休二日で週40時間労働を国がもし指定するとしたらこうなる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

9時ころから仕入れで動き
10時に店に行き、仕込み
11時ころからランチ開店して
14時ころに一度クローズ
片付けして
17時には帰宅。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

つまりランチしかできないお店ができあがる。

もしくは

この時間で考えるとBar営業や居酒屋さんができる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

15時ころから仕入れ
16時ころからディナーの準備
18時からオープンして
24時くらいにお店しめて後方つけして帰宅。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

でもこれだと夜営業しか成り立たないし、小さなお店でお酒出す単価の高いお店しか残らないと思うのです。
それじゃあ街には夜のお店ばかりになる。
(なってる街もありますが。)

働いている人達は必ず年をとる。
家族ができたり、趣味から実用へと必要なお金のあり方も変わってきます。
現状、ある程度の収入を得るためには飲食店だと過酷な拘束時間に耐えるか、もしくは大きな資本の飲食店の幹部になるようです。
そうでないと、ある程度の年齢で辞めて別な業種に転職するようです。

Chusが出来てもうすぐ4年。

例にもれずスタート時期からスタッフには本当に苦労をかけています。
正直、労働環境はまだまだ未完成です。(怒られちゃうかな。)
労働時間を短くし、休みを増やせばスタッフを増員して営業しなければいけないので決まった売上からしかお給料は分配できない。
つまり人数を増やせば収入が減ります。

週休二日に挑戦しています。

Chusは昨年から始めた「週休二日」に対する挑戦をしていますが
スタッフの離職や新しい事業への挑戦もふくめ、まだまだ出来ていません。

ただ、Chusを始める前からずうっと考えていた「暮らしをつくる」こと。
当たり前にある「働き方」ではなくて、自分たちでその暮らしをDIYしていくこと。

お店の質の担保やスタッフみんなが収入をあげていくことや休みを使って外を見てこれることなど、様々な「バランス」をつくって行かなければならないです。

これからどうなるかなぁ。

Chusはまだまだですがこれを公開していく事で同じ問題を持っているお店を経営されている方やスタッフとして従事している立場の人が、いろんな意見を持っていて考えてくれたらいいなと思います。
ただ、どんな事も当事者みんなで真剣に想像して知恵を使えば手に入ると思うのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スタッフ募集もしていますのでもし興味があればこちらもご一読ください。

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18.08.15.11:10

バターのいとこ

こんにちは。
Chusの宮本吾一です。

今日はChusでどんなことに取り組んでいるかをここに書いていこうと思います。

「バターのいとこ」

このお菓子は那須地域の仲間が営む牧場、森林ノ牧場にて 「クラフトバター」の話を聞いたことからこの物語は始まります。

那須高原で希少価値が高いジャージー種の牛を放牧し、生産から販売まですべての工程を独自で営む森林ノ牧場。

この牧場を営む友人に

「クラフトバターをつくりたい」

と相談をされたのです。


「ケニヤ」「エチオピア」などコーヒー豆が産地で味が想像できるぐらい違うように、
バターも牧場の飼育方法によってそれぞれの個性が出る食品になる可能性があります。

牧場独自の多様なバターが食卓やお店に並べば、料理はもっと奥深くなって、食卓はもっとゆたかになる。

「田中さんところの作るバターはパンケーキによくあう」とか
「鈴木さんところのバターはバターチキンカレーに入れるとおいしい」など、

まるで料理にチーズを使い分けるような、そんなバターを作りたいと。

素晴らしい取り組みですが、ひとつ問題も。

バターは牛乳から5%しかできないとても貴重なもので、その課程ででる残りのほとんど(90%)が無脂肪乳となり、
脱脂粉乳として安価に販売されています。その無脂肪乳も愛情込められて作られた牛乳の一部です。

小さい牧場独自でバターを作るにはまず無脂肪乳を価値を作り販売しなくてはならないのです。

そこで考えました。

もしこの無脂肪乳を「お菓子」にして、そして「お土産」にして価値を持ち、安定した取引ができれば地域の酪農家さんは
「クラフトバター」を安心してつくれるのでは?と。

Chusを開店して「クラフトビール」「クラフトチョコレート」など小規模で食材にトレーサビリティ(作り手がわかる)があって、手作りの食品とそしてそれを丁寧に作る人とたくさん出会うようになりました。

その中の一人、友人であり、毎回感動をするお菓子をつくる東京富ヶ谷にあるビストロ「PATH」の後藤裕一シェフに協力を得てできたお菓子がこの「バターのいとこ」です。

「ふわっ、シャリ、とろっ」

ゴーフルと呼ばれるフランスの焼き菓子で生地の中には無脂肪乳で作ったミルクジャム。
食べると「ふわっ、シャリ、とろっ。」と3つの食感が楽しく、中のミルクジャムはバターの副産物でできものとは思えないほど、ミルクの芳醇な風味がします。

「バターのいとこ」

このユニークな名前は牛乳から分離したバターと無脂肪乳の関係がいとこみたいだなぁって思ったから。

美味しいお菓子を食べてくださる方に届ける想いはもちろんですが、
このお菓子が販売されれば無脂肪乳が価値をもって流通され、牧場独自でクラフトバターが作りやすくなり酪農家が喜ぶ。

お菓子をつくるために地域に雇用がうまれ、買ってくれる人はトレーサビリティのある商品をお土産として渡すことができる。
バターのいとこは生産者も、観光客も、地域の人もみーんなが喜ぶ「三方良し」の取り組みです。

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「Chus」

こんにちは!
栃木県那須でChus(チャウス)というお店をやっている宮本吾一と申します。

知らない人も多いと思うのでChusの説明を少ししますね。
Chusは毎朝農家さんがもって来てくれる新鮮な野菜が店頭に並び、その奥にはその食材たちが食べられるダイニングさらに2階から3階はゲストハウスとなっていて泊まれる機能もある施設です。

那須地域は高原野菜やお米、それにミルクやチーズなどの酪農が盛んな自然の恩恵から作られる食材の宝庫。
そこには特別な想いで作られる作り手、生産者の方がたくさんいます。
そんな美味しい食材を作ってくれている人が近くにいるのに僕らが買うのは市場やスーパーなんです。

「いったいこの美味しいモノはどこからどうやってできているんだろう」

と疑問がふつふつと沸いてきました。
もともと畑は近くにあっても作り手の人と繋がってないなんて僕の人生もったいない!と思い、

「どうやったら作り手の人と仲良くなれるかな」

と考えて「那須朝市」というマルシェを企画しました。

「那須朝市」

Googleで「那須 農家」と検索してかたっぱしから電話をかけまくり、

「あのー、マルシェをやりたいんですが出店してもらえますか?」と伝えると

「あーそういうのね。今忙しいからムリムリ」

と断られ続けて10数件。
半ば心が折れそうになりながら電話を続けると、受話器のむこうがわで

「一度話きいてあげるから、今から来なさい」とおばちゃんの声。

「はい!すぐ伺います!」

といって飛んで行くと、快諾してくださりなんと仲間の農家さんも紹介してくれると。
そうやって出来た朝市は回を増すごとに地域の人と作り手、そして観光に来られる方との結びつきが強くなり、お客様も増え、大きなコミュニティになっていきました。

「おばちゃんのひとこと。」

そんな朝市を開催していたときに、両脇にいっぱい買った野菜を抱えたおばちゃんが

「あなたたち、こんな良いイベントなら毎週やったらいいのに。そしたら毎週行ってあげるわ」と。

僕らはそれぞれの仕事をしながら夜な夜な準備をしてようやく開催していたので

「人の苦労もわからず、よう上から言うな」

と怒りに近い感情を思いましたが、それと同時に

「たしかになぁ。生産者さんも毎日野菜を採るし、僕らも毎日食べる。これはイベントにしているより、小さくても日常にした方が良いな」と

そのおばちゃん(もう誰だかわかんないのですが)の一言で今のチャウスをはじめるきっかけになりました。

「那須の大きな食卓」

おじいちゃん、おばちゃん、外国人の旅行者、小さな子供たちとお母さん、障害を持つ方。
食を通して多様な背景の人達が繋がるシーンをつくりたい。

食卓からうまれるコミュニティを。

食べてる時って仲良くなりやすいんですよね。
これが朝市からの文脈を引き継いだお店「Chus」です。
食を通して地域にコミュニティができていくとどんな風に変化していくのか。僕自身もとても楽しみな実験的なお店です。

どうぞよろしくお願いいします。

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