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廃棄するパンの耳から生まれたクラフトビール“breadbeer”

ピックアップ19.09.24
breadbeer

日本ならではのクラフトビールカルチャーが盛り上がりを見せる昨今、業種を越えた様々なコラボレーションが生まれていることも魅力のひとつではないでしょうか。ブルワリー同士はもちろん、コーヒーや紅茶といったビールと同じように農産物から生まれるもの、また最近ではファッションブランドとのコラボレーションも増えてきています。

そんな中、食品ロス削減というサステナブルなテーマからまた新しいビールが生まれました。その名も「bread beer」。製造元は長野県野沢温泉に醸造所をかまえる「AJBブルワリー(Anglo Japanese Brewing Company)」(以下 AJB)で、廃棄するはずだったパンの耳を原料にしてつくられているとのこと。パンの耳を提供しているのは六本木「ブリコラージュ」。フレンチの名店「レフェルヴェソンス」のオーナーシェフ・生江史伸さんがオーナーを務めるベーカリーカフェです。

今回のプロジェクトは、そのブリコラージュとAJB、そしてゴミを出さない循環経済を提案する「530week」代表の中村元気さんという三者による共同プロジェクトとなっています。この環境にやさしいコラボレーションが一体どのような想いから生まれたのか、AJBでアシスタントブルワーを務める佐藤孝洋さんにお話をお聞きました。

 

 

ムダになるものでおいしいビールをつくりたい

今回AJBさんとしては、どういった想いでこのプロジェクトに参加されたのでしょうか?

 

元々530weekの元気君とうちのスタッフの間に親交があって、その530weekの活動の中でブリコラージュさんの耳の部分がどうしても余ってしまう、もっといい活用方法はないかということで話をもらいました。

僕たちも普段からモルト粕だったり、そういうものをムダにしないように近くの農家さんに肥やしとして使ってもらうようなことはしていたので、その話をもらった時にすぐに共感しました。同じ食べ物を扱ったり物をつくったりする中で、もう少し有意義にムダになるものをうまく使えたらなと。それでおいしいものができれば本当ににいいし、僕たちもやったことがなかった取り組みではありましたが、ぜひということでスタートしました。

Anglo Japanese Brewing Company アシスタントブルワー 佐藤孝洋さん

 

 

ドリンカブルなビールづくりが特徴のAJBさんですが、今回はどんなビールを目指したのでしょうか?

 

ビールの原料は麦なので、パンとの相性自体はすごくいいと思っていました。その中で今回使用したパンの原料が小麦やライ麦だったので、小麦だったら独特の甘みやまろやかさが引き立つイメージ、ライ麦だったらスパイシーなイメージと、徐々に仕上がりのイメージを膨らませていきました。更に今回はパンをローストしているので、香ばしさみたいなものもプラスされるだろうということで、テストの回ごとにどんどんまとめていった感じです。

 

 

製造工程で一番大変だったことはどんな事でしょうか?

 

どうキャラクターを出してあげるかですかね。今回ローストしたパンを入れたことによって、深みのある甘みというか、コクみたいなものがしっかりと出ていたので、そこをキャラクターとして出すことに注力しました。後はパンを入れる分量ですね。ただ入れてるだけじゃなく、味わいとして出せるかには苦労しました。

 

 

今後プロジェクトとしてシリーズ化もされるとのことですが、どういった展開になるのでしょうか?

 

今後はバレルエイジド等、更に付加価値をあげていくようなシリーズも醸造していく予定です。また、その度にラベルやデザインは変えていきたいと考えています。そして、ビールづくり以外にもいろんな切り口でムダを出さないものづくりはできると思うので、このプロジェクトを通してそういった取り組みのきっかけになればと思っています。今回はパンとビールなだけで、他にも食べ物は色んな可能性がある。そのきっかけになれば嬉しいですね。

 


 

 

本来廃棄されるはずだったパンが、リサイクルされるだけでなく、味の個性として活かされたアップサイクルビール。そのやさしい飲み口の奥にはほのかにパンのフレイバーが感じられます。売り上げの1%は530weekに寄付されるとのことで、循環社会におけるクラフトビールの新しいモデルケースになりそうです。