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FEATURE

バスケがあって、あの日があって、AERUがある。 -後編-

「夫婦のお店」百人百様のストーリー。

夫婦で営むコーヒーショップ・AERU COFFEE STOP(アエルコーヒーストップ)さん。後編です。
こだわりが強いところが似ているというお二人のお店には、コーヒーはもちろんのこと、自家製のお菓子やフード、お店のロゴや営業時間の細部にまでこだわりが詰め込まれています。
後編では、バリスタの地位が確立されている街・メルボルンで未経験からバリスタを目指した二人が働き口を見つけるまでの苦労や、技術を学ぶことの大変さ、夫婦としてのお二人の姿をお届けします。

前編はこちら

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ワーキングホリデーで出逢えた、すべてのはじまり。

 

お二人の出会いはワーキングホリデーだとお伺いしましたが、どのような出会いだったのでしょう?

 

永斗さん:バンクーバーで出会ったのですが、佳代が通っていた語学学校のクラスに、たまたま僕と仲が良かった高校の同級生も通っていたんです。 ある日、その同級生が友だちを集めてバスケをしたことがあって、僕も呼ばれて行ったらそこに佳代もいた。

 

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お互いの第一印象は覚えていますか?

 

佳代さん:永斗はバスケの経験者だったというのもあって、そこにいた男の子たちの中で一番上手だなみたいな印象です(笑)

 

永斗さん:高校のときバスケ部だったんです。だから呼ばれた(笑)

 

佳代さん:あと、当時髪の毛長くて海外にいそうな感じ(笑)

 

永斗さん:佳代は待ち合わせのときに英語で電話していたんです。韓国人の友だちが道に迷ったとかで。なので、英語喋れてしっかりしているんだなっていう印象ですね。

 

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お二人はコーヒーの勉強をするためワーキングホリデーに?

 

永斗さん:バンクーバーで出会った頃は、お互いにコーヒーを学びたいとかではなかったんです。付き合うことになってから、あるときもう一カ国行きたいよねって話になったんですよ。その話をしていたのが26歳。日本に帰ってもまだ英語もそんなだし、ワーホリに行った意味を見出せるのかなという思いがありました。

 

それで次に向かった先がオーストラリア!

 

永斗さん:ワーホリってカナダへ行ったらオーストラリアへ行くという流れがあるんです。なので、自然とオーストラリアへ行くことが決まりました。語学以外に日本に帰ってからも仕事にできるようなスキルを身につけよう、何かないかなと話したときに僕たちが興味があったのは、“バリスタ”という職業でした。

 

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ワーキングホリデー当時のお二人。オーストラリアで一年間共に過ごしたご家族との思い出。

 

 

永斗さん:当時、僕がイメージするバリスタは、チェーン店のコーヒーショップで見かけるような、きちんとした格好できちんとした接客をするという印象だったんです。でも、海外のコーヒーショップではラフな格好だったり、タトゥーが入っていたり、すごいカジュアルな接客をしていてイメージが変わった。

 

佳代さん:オーストラリアでカフェ文化が盛んなところを探したらメルボルン。そこへ行こうって。

 

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バリスタの修行時代に過ごしたメルボルンの街並み

 

 

メルボルンというと世界的にもカフェ文化が盛り上がっている印象です。

 

永斗さん:最初はバリスタの仕事を探していたのですが、経験がないのでまったく見つからない。次第にお金も底をつきてきてしまい、いつ仕事が見つかるかわからなかったので節約に徹していました。朝は市場で安く買ったバナナを一本ずつ食べ、夜も自炊。可能な限り手元にある現金は使わないようにしていましたね。

 

佳代さん:どれだけお金がない状態でも家賃は払い続けないといけない。なので、所持金の猶予はどれくらいなのかを逆算し、いつまでに仕事を見つけないとならないのかを明確にすることで、自分たちを追い込んでいましたね。履歴書を手で配り歩く毎日で、終いにはコーヒーとはまったく関係ないホテルなどにも仕事がないか訪ねて回っていました。

 

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精神的にかなり辛かったと思うのですが、どのようにして支え合っていたのでしょうか?

 

永斗さん:毎日お互いに別行動をしていたので、毎晩その日あったことを共有し合って乗り越えていました。仕事は、“バリスタ”からエスプレッソマシンがあるカフェでの“皿洗い”に切り替えて探すことで、意外にもお互いすぐに見つけることができました。

 

佳代さん:でも、皿洗いの仕事が見つかったのもタイムリミットギリギリだったので、かなり追い込まれてましたね。体重も結構減っていたと思います(笑) カフェにはマシンもあるしバリスタもいるので、早く出勤したり、遅くまで残ったりしていろいろ教わる努力をしていました。

 

本格的にバリスタとして働きだすことになったきっかけはなんですか?

 

佳代さん:あるとき働いていたカフェで使っていたロースター・The Maling Room(現在:symmetry coffee roasters)のオーナーさんに話かけられたんです。豆のクオリティを確認したり、バリスタとコミュニケーションを取ったりするために、週に一度豆を配達しに来ていたんですけど、見知らぬ皿洗いの日本人がいるわけじゃないですか?だから“何しにきたのか?”って。バリスタの勉強で来たけど未経験だから仕事が見つからなくてと話をしたら、うちに勉強しに来いって言ってくれたんです。

 

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とても大きなチャンスが突然舞い込んできたのですね!

 

佳代さん:藁にもすがる思いでした。無賃で働く代わりにエスプレッソマシンが触れて、豆も牛乳も使える。何より技術を教えてくれる。こんなことがあっていいのかと怪しむ気持ちももちろんありましたが、このチャンスを逃したら帰国することになってしまうと思い必死でしたね。

 

永斗さん:僕はすごいうらやましいなと思っていましたね(笑)

 

佳代さん:あるときトレーニングへ行った帰りに、オーナーが家まで車で送ってくれたことがあって。車の中で、実は私の彼もバリスタとして働けるように頑張っているという話をしたら、そいつも来ればいいじゃんって言ってくれて。

 

心の広いオーナーさんですね。

 

佳代さん:本当はThe Maling Roomを使っているカフェのバリスタしかトレーニングに行けないんですよ。なのになんか呼んでくれたんです(笑) 結構な特例だったと思います。

 

永斗さん:このオーナーとの出会いがなければ今、お店をやっていなかったと思います。

 

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写真中央:The Maling Roomオーナー・Andrewさん。

 

 

二人ともトレーニングを始めることになり、どのような生活リズムだったのでしょう?

 

佳代さん:カフェで週5皿洗いをして、休みの日に片道1時間くらいかけてトレーニングへ通いつめました。トレーニングはもちろん英語なので、何を言っているのかを理解するだけで一苦労。そのうえ、技術も伸ばさないといけないという状況でとても厳しかったですが、とにかく必死でした。

 

休む間も無くバリスタの勉強に励んでいたのですね。

 

永斗さん:毎日ヘトヘトでしたね(笑) 皿洗いの仕事で収入はあったので、食事をしっかり摂れていたことは救いでした。カフェで賄いもあり、もう有難すぎて泣きそうになったこともしばしば(笑)
それでも学ぶことを嫌になることはありませんでした。見ず知らずの未経験の僕たちを受け入れてくれて、高価な機材を触らせてくれることへの感謝の方が大きかったです。

 

佳代さん:毎晩のように二人でその日の学びをシェアすることで、モチベーションを保てていました。まさに切磋琢磨。 職場で学ぶこと・トレーニングで得たことは二人ともまったく同じではないので、シェアしてより多くの情報を得ていましたね。

 

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どのくらいそのような日々は続いたのでしょうか?

 

佳代さん:2ヶ月くらいです。二人ともある程度のレベルに達したと判断してもらえたので、カフェでも皿洗いの仕事から少しずつバリスタの仕事に切り替えてもらうことができました。永斗は私より何回か多く通っていたよね?

 

永斗さん:なんかすごい厳しくて(笑)

 

ついに、念願のバリスタとしてお仕事ができるようになっていったのですね!!

 

永斗さん:ここからだ!やっとスタートできる!という気持ちの反面、帰国まで残された時間は10ヶ月。焦りもありました。

 

佳代さん:でも休みができ、収入も増えたぶん、気持ち的にも少し余裕ができて、楽しむことができるようになっていたと思います!

 

永斗さん:バリスタとしての経験ができたので、他のお店でも面接をしてもらえるようになりました。それで僕は佳代が働いているお店の姉妹店、The Maling Roomの豆を使っているカフェで働けることになったんです。そこからバリスタとしての生活がスタートしました。

 

オーストラリアでの決して楽ではない修行の日々を、二人で支え合いながら乗り越えてきたからこそ二人の絆が伝わるAERU COFFEE STOPなのですね。

 

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メルボルンのカフェでバリスタとして働く当時のお二人

 

 

夫婦のカタチ

 

いつ頃からお二人でお店をやろうと考えていたのでしょう?

 

佳代さん:バンクーバーでできた友だちには「夢実現してすごいね」ってよく言われます。 そのときからなんとなく二人でカフェやりたいねみたいなことは言っていたみたいです(笑)

 

永斗さん:僕は会社に属するのが苦手というか、合っていないと思っていて、なにかしら自分で仕事をしたいと思っていました。そしたら二人ともコーヒーにはまっちゃって。しかも、ちょうど日本でもスペシャルティコーヒーのブームが始まっていた。それもあって、やってみようかって感じだったと思うんですよね(笑) そのときから、自然と将来は二人でお店をやるという方向に気持ちが向いていました。

 

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実際にお店を作ることになってから大変だったことや苦労したことはなんですか?

 

永斗さん:資金調達や区の補助金の申請準備が大変でした。いわゆる書類の準備なのですが、役所系の書類はどうも苦手なんです(笑) でも、大変だったのはそのくらいで、外装や内装は設計士さんと施工業者さんのお二人が親身になって一緒に進めてくれたので楽しかったです!DIYも結構していて、研ぎ澄まされた格好良さはないですが、愛のある空間になっているはずです。

 

お二人でお店を始めることに不安はありませんでしたか?

 

永斗さん:日本へ帰ってきてすぐではなくて、一年半後にお店はオープンしたんです。それまでは、佳代はOkusawa Factory Coffee and Bakesで働いて、僕は本郷3丁目にあるFARO COFFEE & CATERINGで半年間ヘッドバリスタとして働き、プラナチャイの営業をやりました。日本のコーヒー業界にも身を置く時間があったので、どんな風にお店を運営していくとお客様を集められるのかなどを常に考える時間があった。

 

佳代さん:日本で働くことによっていっぱい知り合いもできました。コーヒー好きの友だちや、お客さん、同業の人たちも。だから、楽しみの方が大きかったです。

 

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帰国後、お店をオープンしたタイミングでご結婚。当時28歳。お店は今年で2年目を迎える。

 

 

一緒にお店をやっていて良かったなと感じることはありますか?

 

永斗さん:楽ですね。誰かを雇って一緒に働くとなると、やっぱりいろいろ気にしなきゃいけない。夫婦なので、信頼しているからこそ基本は任せられる。だから、自分の仕事に集中できます。

 

佳代さん:自分たちの子供みたいで、お店も私たちと一緒に成長しているように感じられます。

 

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信頼できる相手だからこそ、ときには衝突したりも・・・?

 

永斗さん:喧嘩しますよ、めちゃくちゃします (笑) 今まで以上に一緒にいる時間も長いので、そのぶん喧嘩は増えました。

 

お二人の中で仲直りのルールなどはあるのでしょうか?

 

永斗さん:寝て起きたら自然にが多いですね(笑)

 

佳代さん:やっぱり接客業だし、これだけお客様に近いから引きずれないし(笑)

 

永斗さん:仕事するうえで話さなきゃいけないときってあるじゃないですか?そうするとそれがきっかけになったり。

 

佳代さん:さっきまで喧嘩していたのに、気付いたら喋ってたみたいな(笑)

 

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自然と仲直りできる関係というのは理想ですよね。
一緒にいる時間が増えてお互いが気持ちよく過ごすために気をつけていることはありますか?

 

永斗さん:常に一緒なので、お互い個人で行動する時間もつくるようにはしています。そういう時間もやっぱり大事だなと。

 

佳代さん: 意識的につくるようになりました。でもやっぱり二人で行きたいねっていうお店もあるからそこは一緒に行ったり。

 

お二人が10年後どうありたいかお聞かせください!

 

永斗さん:僕は、現場を離れていたいかも。規模を大きくしていきたいですし、人を雇って、育てたいという気持ちもあります。チームをつくりたいじゃないですけど。任せられる人を育てて、自分はもっと外で動けたらいいかなと思っています。
あとは、子供のことも考えますし、家が狭いんで広いところに住みたいなと(笑)

 

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佳代さん:私は接客が好きだから、なんだかんだ現場にいるのかなと思います(笑) 子供のことももちろん考えているし、信頼できる人をAERU COFFEE STOPファミリーとして増やしていきたいなとは私も思っています。でも、まだ二年目ですし焦ってはいないです。

 

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それでは最後に、お二人が想う“夫婦でお店をやること”のおもしろさとはなんでしょうか?

 

佳代さん: 二人で経営者だから、自分たちがやりたいと思ったことを共有して、すぐにそれを形にできること。まだお店の規模も大きくないからこそ、二人で何でもやれちゃう。

 

永斗さん:僕も“やりたい”を形にできることが一番おもしろいのかなと思います。
1周年のノベルティとして用意した手拭いも、自分たちで一枚一枚シルクスクリーンで刷りました。ものづくりが好きな二人なので、食べ物以外でも作りたいものを形にできて楽しいです。こういうところにも、何か自分たちの手を加えてお客様に届けたいという僕たちの想いは通じているのかなと思います。

 

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