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FEATURE

バスケがあって、あの日があって、AERUがある。 -前編-

「夫婦のお店」百人百様のストーリー。

夫婦で営むお店には、その夫婦ならではの空気や味わいがある。同じ家で目を覚まし、同じお店で働き、同じ家に帰る。そんな風に人生を共に歩んでいる二人だからなのかもしれない。
いろんな夫婦のカタチがあって、個々の性格も、二人の始まりも、向かう場所も、それぞれ違う。
その違いがお店にじんわり沁みて、その夫婦にしかだせない色になる。そんな夫婦のお店っていいよね。

今回は、コーヒーショップ・AERU COFFEE STOP(アエルコーヒーストップ)さん。
赤羽岩淵の静かな住宅地にあり、地域の方々が明るく柔らかな空気が漂う店内でゆっくりとした時間を過ごしています。コーヒーだけでなく、自家製のホットサンドや焼き菓子も楽しめるついつい通いたくなるお店。
お二人の出会いはワーキングホリデー。お金が底をつきかけながらも、休むことなくバリスタの勉強に明け暮れる日々を乗り越えてきた二人だからこそつくり上げることができた夫婦のお店について、前編と後編に分けてお届けします。

後編はこちら

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写真左:永斗(えいと)さん 写真右:佳代(かよ)さん

 

 

二人の共通点をつめこんで、結んで繋げていく。

 

店名でもある「AERU」には、ヒト・モノ・コト3つの“逢える”“合える”“和える”場所という意味が込められているんですよね。

 

永斗さん:スペシャルティコーヒーには、人と人を繋げる力があると思っていて、そこに僕はすごく魅力を感じていたんです。コーヒーを作るのも楽しいし、作った結果コーヒーを通して、人と人が繋がる。美味しいコーヒーと人が出会う瞬間を見ているのも楽しいんです。

 

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家紋のようなロゴも可愛いらしいです。

 

永斗さん:紐を結んだときの結び目ってこういう絵になりますよね。お店の名前からインスピレーションを受けて僕が作りました。一度プロにお願いして何個か案をいただいたんですが、なんか違うなぁってどれもしっくりこなかったんです。それで僕が趣味でIllustratorをいじっていたのもあって、いろいろ考えて自分でアレンジしてみました。

 

佳代さん:和のテイストがある外観にも結構合う。

 

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築60年以上の古民家をリノベーションしてつくられている。

 

 

お店でのお仕事は、永斗さんと佳代さんでそれぞれ役割分担があるのですか?

 

永斗さん:ないですね。効率よく、手が空いている人がオーダーを受けたり、洗い物をしたり。

 

佳代さん: お互いこれしかできないとかはないです。お菓子の仕込みは私がやるけど、お店に立っている間はどちらも何でもできます。

 

永斗さん:一人でお店を回すこともできちゃうので、それは僕らの強みかなと思います。料理は奥さん、コーヒーは旦那さんみたいに分業しちゃうと、どちらかが体調を崩したりしたら、お店を休まなくてはいけなくなってしまうので。

 

ちなみにお家でも家事の役割分担は決めていないのですか?

 

永斗さん:佳代はこれとか、僕がこれとかはないかなぁ〜。料理も洗濯も掃除も、気づいたほうが、できるほうがやるように心がけています。

 

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お店で取り扱うコーヒー豆はどのように決めたのですか?

 

永斗さん:僕たち夫婦は実はワーキングホリデーで出会っていて、共にメルボルンでバリスタの勉強をしていました。なので、そのときとてもお世話になっていたオーナーのお店・symmetry coffee roasters(シメントリーコーヒーロースターズ)が卸しているコーヒー豆を使うと決めていました。ずっと、日本でお店をやることになったら恩返しがしたいと思っていたんです。
今年の7月半ばからは今後を見据え、藤沢市辻堂にある27coffee roastersさんに切り替える予定です。

 

お二人と何かつながりのあるロースターさんなのですか?

 

永斗さん:27coffee roastersで焙煎している吉野 政明さんは、symmetry coffee roastersのオーナーとも面識がある方です。メルボルン時代、佳代と同じカフェでバリスタとして働いていて、僕たちにコーヒーの基礎やラテアートを教えてくれ引っ張ってくださいました。昨年のJapan Barista Championshipでも初出場ながらセミファイナルまで進んだ実力者であり、気軽に相談できるお兄さん的な存在です。

 

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写真左:吉野さん。お二人が27coffee roastersへ遊びに行った際の写真。

 

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赤羽という東京の真ん中から少し外れた立地ですが、どのようなお客様がいらっしゃいますか?

 

永斗さん:近隣の方はもちろんですが、荒川が近いのでサイクリストの方も多いです。

 

佳代さん:自分の自転車を見守りながらゆっくり休憩ができる場所が、荒川沿いにあまりないみたいなんです。
あとは、最近だと金メダリストが来たんです!

 

永斗さん:一番テンションが上がった気がします!陸上の世界大会があって、オーストラリア代表の選手が赤羽のナショナルスポーツセンターを利用するために近くのホテルに泊まっていたみたいで。朝、コーヒーが飲みたいからとわざわざ調べて来てくれたんです。

 

佳代さん:ゴールデンウィーク中で疲れてたんですけど、元気とパワーをもらいました!

 

永斗さん:オーストラリアでは知らない人はいないくらい有名な選手なんです。日本で言ったら、高橋尚子さんが現役のときにお店に来てくれたみたいな感じ。

 

佳代さん:私も陸上で10年間走っていたから、種目は違うけどすごい嬉しくなった。しかも、泊まっているところから徒歩10~15分はかかるんですけど、2日間のうちに3回も来てくれて必ずおかわりもしていってくれました(笑)

 

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オーストラリア代表の陸上選手(金メダリスト)が来店したときの様子

 

 

AERUさんでは朝の7:00からお店をオープンしていますが、そんなに朝早くオープンしているコーヒーショップは少ないですよね。

 

永斗さん:朝、出勤前や外出前にコーヒーがある時間をつくることで、その日1日がより良いものになると思っているんです。これはオーストラリアの文化に影響を受けています。オーストラリアのカフェは、6:30や7:00の開店と同時にたくさんのお客さんが来店するので、第1ピークは開店直後なんです(笑)

 

オーストラリアで吸収してきたカフェ文化を活かされているのですね。

 

永斗さん:オーストラリアの方々は、美味しいコーヒーで1日を始める素晴らしさを潜在的に知っているのだと思います。また、バリスタや店員さんとコミュニケーションを取ることも大事にしていて、おはようの挨拶から、”元気?週末どうだった?”など、忙しい中にも何気ないコミュニケーションがあって、これも1日を良くする要因なのかなと。

 

佳代さん:その良さを体感してしまっているので、自分たちのお店でもやらざるを得ないというか、こだわりの部分かもしれません。

 

永斗さん:オーストラリアと日本では文化が違うので、ウケるもの・ウケないものを見極めながら、いいなと思ったところは日本の文化に寄り添う形で提案できるようにしてます。

 

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フードやお菓子も自家製で、とても美味しそうです。

 

永斗さん:スペシャルティコーヒーは、他に何か一緒に楽しむものがあるとより美味しく感じるというか、時間もより良く感じると思うんです。佳代が作るお菓子は甘すぎずコーヒーに合うようなものですし、フードもコーヒーと一緒に楽しめるようなものを用意しています。

 

佳代さん:フードは、ほぼ永斗が作っています。新メニューを考えたり、形にしたりするのは永斗です。

 

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それぞれ作る担当が決まっているのですね。お互いの意見を反映させたりもするのですか?

 

佳代さん:基本的に作りたいものを作って、自分の中でこれは商品として出そうと決めてから永斗に食べてもらう。(永斗さんの)感覚がいいから、最初の一口目の反応は結構しっかり見ています。一言目で「美味しい」って言ってくれるときは、よし!って(笑) 「まぁ、いいんじゃん」みたいに言うときもあって、そういうときはもう一回レシピを見直そうとか、もう一晩寝かしてみようとか思いますね。

 

永斗さん:フードも一緒です。佳代にも食べてもらったり、意見をもらったりして作っています。

 

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バナナケーキだけ定番。常連さんも多いぶん、いつ来ても新鮮で飽きないよう常に一種類だけでもメニューを変えるようにしているそう。

 

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ローストポークやチョコレートソースまで手作りなんですよね。
手作りにこだわる理由はなんでしょう?

 

永斗さん:卸してもらったものをそのままお店で提供したりするのは、つまらないなぁと僕らは考えています。コーヒーも豆を卸してもらって、自分たちで抽出と加工をして提供すると思うんですけど、自分たちが何かしら手を加えてオリジナルで作ったものをお店ではお出したいという想いがあります。

 

佳代さん: チョコソースもそうですね。ここでしか飲めないチョコソースを作りたい。

 

永斗さん:差別化したいというのもあります。

 

佳代さん:一つそこにこだわると、なんでも作りたくなっちゃう(笑) 私は手作りというか、ハンドメイドが好きなんです。

 

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AERUさんでは、佳代さんがハンドメイドでお作りしているアクセサリーも販売していますよね!

 

佳代さん:手作りにこだわる理由に繋がってくるんですが、 買ったパーツをただ組み合わせるというのは自分的には違うんです。他の人が作っても同じ物になってしまうから、パーツを仕入れたらそこから自分で違うパーツを作ります。

 

永斗さん:お菓子やフードを作っているのと同じで、買ってきた材料を加工して商品にする感じだよね。

 

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佳代さん: 一つひとつ手作りなので、まったく同じものはほぼできない。だから一応、すべて一点物になります。そういうのが好きで買ってくださると嬉しい。お求めになる方は女性が多いですが、男性も奥様や彼女さんへのプレゼントで購入してくださることもあります。

 

アクセサリーをきっかけにご来店されるお客様もいらっしゃいますか?

 

佳代さん: ありがたいことにたくさんいらっしゃいます。新作が出るたびに見に来てくださる方もいらして、多くの方が目をとめてくださり、手に取ってくださるのでとても感謝しています。
アクセサリーがきっかけとなって、お店に足を運んでいただけたり、スペシャルティコーヒーとの出会いが増えたりすることは嬉しいですね。

 

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お互いが似ているなと感じるところはありますか?

 

永斗さん:似ているところは、やっぱりこだわりが強いところじゃないですかね。商品一つひとつやアクセサリーに関しても、何かを作ることが好きということはもちろん共通しています。作るものにもこだわりをもっていて、中途半端は嫌だというところも似ている気がします。

そこが似ているので、お店を一緒にやっても大丈夫かなというのはありました。同じバリスタでも働いてきた環境やお店によって、方向性も表現する味も違ってくると思うんですけど、僕らはオーストラリアからずっと二人で勉強してきたというのもあるし、目指す方向が一緒だったというのも大きかったのかなと思います。

 

お店を始めるにあたり、お二人の中で決め事のようなものはなかったのですか?

 

永斗さん:決めていないですね。自然と同じことをやっているし、お互い違うと思うことがあれば、その都度言い合って改善しようという感じです。それこそコーヒーもそうですし、ものづくりに対しての価値観が近い部分があったので、決めなかったのかもしれない(笑)
お互いが平気だろうと思っていたんでしょうね。

 

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こだわりが強いところをはじめ、目指す方向や価値観なども自然と同じである二人。
その背景には、共にオーストラリアでゼロからバリスタの勉強に励んだ修行の日々や
、運命的な恩人との出会いがありました。後半では、そのお話や夫婦としての二人についてお届けします。

 

後編はこちら