日本初開催となる『Hood to Fuji』
『Hood to Fuji』は、昨年4月にアメリカオレゴン州・ポートランドで行われたクラフトビールイベント『FUJI TO HOOD』の第2回目。前回は日米合計で22の醸造所が参加し大盛況のうちに終わりました。今回はさらにスケールアップし、オレゴン州から世界的に有名な17社の醸造所を迎え入れ、日本とポートランドのビール/サイダー合計34社が参加しての開催になっています!
(気になるコラボレーションの組み合わせはこちらからご覧ください。)
時間ごとに区切られた完全入れ替え制となっていて、事前に希望の時間帯とチケットの種類を選んで購入し、当日はその時間にあわせて参加するシステム。チケットは全3種類、通常チケットと飲み放題チケットが2種類。通常チケットでは、8杯のクラフトビールを飲み比べられるようになっていました。
ポートランドと日本の醸造所のコラボビール
昨年はオレゴン産と日本産の独特な素材が入ったビールが話題になりましたが、今回は日本独特の梅雨を吹き飛ばすような爽やかな味わいのものや、アジサイを思わせる鮮やかなピンク色をしたもの、松の葉やシダの根を引いて入れているものなど、日本開催らしいコラボレーションビールがラインアップ。
この日のために日米のビール職人たちが一緒に話し合ってつくられたコラボビールを味わうことができる特別な一日。提供されるカウンターでは多くの人が長蛇の列を作り、タップリストを真剣な面持ちで見つめるその眼差しから参加者の熱量が伝わってきます!
今回提供されたコラボビールのサンプル。醸造所のごとの色合いや香りを楽しめるようになっていました。
私たちがイベント会場に到着した時には、すでにたくさんの人がクラフトビールを楽しんでおり、雰囲気抜群のテラス席で海外の方がビールを飲みながら談笑する風景はまるで異国のよう(笑) また、クラフトビールに合うフードも豊富に用意されており、開催会場であるSVB(SPRING VALLEY BREWERY)の名前がついた「SVBロール寿司」や手軽に食べれるフライドポテト、生ハムなどでペアリングも楽しむ様子も見られました。
最後に、今回のイベントを企画されたクラフトビールマガジン「TRANSPORTER」の発行人でもある田嶋さんからお話を伺いました。
「カルミネーションブルーイング(ポートランドにあるペアリングと地元を大切にしている醸造所)のオーナーが声を上げたのが『Hood to Fuji』の始まり。彼が日本にきていきなり「このイベント、日本でやらない?」って言われて一度は断ったんです(笑)。でもグレートノーションのフォートジョージブルワリーが来たらやるっていう条件を出して、その時は絶対嘘だろうって思っていたら2か月後に連絡がきて「フォートジョージブルワリー呼んだから。17社決まった。」ってことでやることに決めました。」と日本で開催に至った意外な背景を教えてくれました。
醸造所の選定については、「みんな面白いの作れなくなるからスタイルのコントロールはしていなくて、かたよってもいいと思っていました。彼らが作りたいビールでもてなしてみんなで飲む主旨なんで、そこは制限しないで自由に。その変わりハイアルコールはあんまり作らない。倒れちゃうから(笑)。」と、ここだけの話も。
「正直ここまで大きなイベントになるとは思っていなくて、カルミネーションブルーイングのオーナーがとても喜んでくれました。日本では初開催だったので、どうなるか読めない部分もあったのですが、参加していただいたブルワリーの方々や応援してくれた皆さんが宣伝してくれたおかげでチケットも完売しました。なによりお客さんが笑顔で帰ってくれるので、それが一番ありがたいです。」とのこと。
今後については、「来年はオレゴン州で開催し、2年後の2021年にまた日本でやることが決まっていて、その時には更に増えて24社くるようになると思います。このイベントは日米友好にもなるので、お互いの国の人がこのイベントを通して文化交流できるようになればいいなって。」と、再来年は合計48社ものコラボレーションが楽しめる一大イベントになる見通しです!
日本では初めて開催された『Hood to Fuji』。クラフトビールの最先端を行くポートランドの醸造所の方と交流ができるなど、ここでしか味わえないコラボビールを味わえるスペシャルなイベントとなっていました。今後もオレゴン州と日本で交互に開催されるとのことで、クラフトビール好きだけでなく、たくさんの人が注目するイベントになっていくことが見込まれます。日本での開催を心待ちに、これからもクラフトビールカルチャーと共に注目してきたいと思います!