出店卸業者様の利用規約が新しくなりました。詳細はこちら×

”2坪”という狭さから見つけた可能性

造り手たちの想い19.01.25
tacosshop

吉祥寺・ハーモニカ横丁の一角、わずか2坪しかない場所にあるメキシカンタコス屋「TACOS Shop(タコスショップ)」。2坪という狭さゆえにスタンディングでも10人入ったらギュウギュウ。まるで秘密基地のような空間。
そんな狭い場所でどうしてお店を始めたのか、なぜタコスだったのか。たくさんの気になることをオーナーの近藤さん、シェフの星さんに伺いました。

狭いことにワクワクした。

Sample detail

 左:シェフ 星さん 右:オーナー 近藤さん

“2坪”という狭さは飲食店さんにとってマイナスイメージのように感じました。お店を始める時この狭さをマイナスとは捉えなかったのでしょうか?

近藤さん:マイナスには捉えていないですね。メリットの方が大きいかな。一人でできるし、狭いというだけでおもしろがってもらえるし。狭いことにワクワクしました。もしここが10坪くらいの広さだったら注目してもらえていないと思います。狭いっていうだけで良い雰囲気にとってもらえる。
あとはこれだけ狭いと少し閉鎖的にはなるけれど、自分たちの表現したいものが伝わりやすいと思いました。実際に来店されるお客様もインスタで知ってくれていたり、雑誌や友人の紹介だったり、ある程度どんなお店か知ってもらえた上で来てもらえるので、狭いのもあり空間にいいグルーヴ感が生まれています。

でもやはりこの狭さゆえの苦労はあったかと思います。工夫した点はありますか?

近藤さん:調理スペースが狭いのもあり収納は全部浮かせておきたかったので、全て吊るすように工夫をしました。フックで引っ掛けるだけの取り外せる引き出しを作ったのですが、これは気付けて良かったです。
あとは温める必要のある具材は琺瑯の容器に入れて、鉄板の上で温められるようにしました。これを思いついた時は自分でも天才かなと思いましたね(笑)。

Sample detail

Sample detil

そもそもお二人が飲食の世界に入ったきっかけは何だったのでしょうか?

星さん:小学生くらいの頃から料理をよく作っていたので、このままコックになろうって決めていました。それと好きな音楽聞いてうだうだしていたくて、ロック喫茶をやりたかったんですよ(笑)。
高校生から飲食店でのバイトを始めて、そのまま紹介でフランス料理のコックになりました。働いてみるとロック喫茶なんて成り立たないことを知って(笑)、フレンチやイタリアンのお店で働いたりして気付いたら25年って感じですね。

近藤さんも小さい頃からの夢だったのですか?

近藤さん:大学生の頃に飲食店でバイトをしていましたが、絶対飲食業界には入らないようにしようと思っていました(笑)。そう思っていたけど、いわゆる新卒の就職活動をしていた時に、全然楽しくなくて。どうしようかなと悩んでいたら、その時に一番かっこいいと感じたのがピザ屋のおじさんだったのでピザ屋さんになりました(笑)。

Sample detail

そこからお二人はどういった経緯で一緒に働くようになったのですか?

近藤さん:このTACOS Shopを立ち上げるきっかけとなった、三鷹にあるピザ屋を運営していた時に、料理長として星さんに入ってもらってからです。
その三鷹のピザ屋では新店の立ち上げを任されていたのですが、お店も無事に立ち上がり会社に属すのが嫌で辞めたくなって(笑)。たまたまその会社には社内独立制度があったので、その制度を利用して店長として働いてはいるけれど独立をしました。

独立を応援してくれる会社だったのですね!その独立制度を利用して、TACOS Shopを立ち上げたのでしょうか?

近藤さん:そうですね。独立をしたあと、TACOS Shopを始めるまでにもいろいろチャレンジをしました。2店舗目を立ち上げたけど失敗してすぐ閉めたり、コンサル的なお手伝いをしたり、運営委託を受けたり、人材派遣のようなこともやったり。
経営者として、働いてくれている人達の環境を整えるために会社としての売り上げを上げなければいけないので、外に出ていろんなことをやっていました。ただ、途中でそういった仕事は向いていないことに気付いて(笑)。なんか違うなって(笑)
とりあえずもう一度、自分でお店を始めることからやらないといけないなと思い、その時やっていたことを全部やめて動き始めました。会社の事業として始めたので、何をやるのかどこでやるのかなど、料理長である星さんに相談しながら進めていましたね。

Sample detail

別のインタビュー記事で、”やることを決める前にこの場所を契約した”と拝見しました。決めていないのに契約してしまうのはとても勇気がいることだと思います。何か理由があったのですか?

近藤さん:三鷹のピザ屋を譲る約束をしていたので、できる限り早く出店しなくちゃいけない状態だったんです。予算的な問題と、一人でできる狭さで探していました。ただ、狭すぎると一から料理を作ることは難しい。なので、三鷹のお店で仕込みを作り、星さんが自転車で運ぶことも視野にいれていました。ここだと距離的に三鷹のピザ屋から近いのと、他の条件もクリアしているのですぐお店を出せるなと。やることは決まっていなかったけどベストだと思って契約をしました。

毎日のように仕込みを自転車で運ぶのは大変じゃないですか?

星さん:休みの日も、どこへ行くにも自転車で行っちゃうくらい自転車が好きなので、仕事でも自転車に乗れて嬉しいです(笑)。自転車に乗るのがリフレッシュにもなるし。幡ヶ谷にある行きつけの自転車専門店BLUE LUGでカスタムしてもらった自転車なので、すいすい運べますよ。

Sample detail

Sample detail

 

未知だったからこそチャレンジしたかった。

場所が決まったあと、提供するメニューはどうやって決めたのでしょうか?

星さん:三鷹のお店から自転車で運べる物という条件で考えました。さらにお酒も出したかったのでおつまみになるもの。
基本的に家庭料理やストリートフードとか好きなので、キッシュや惣菜を出すなどいろいろ候補はありました。
タコスでなく他のものを選んでいたらどうなっていたかなって思います(笑)

いろいろな候補があった中でタコスを選んだのはどうしてですか?

星さん:単純におもしろそうだし、他にお店がなかったので競わなくていい。それと未知だったのでチャレンジしたかったんです。
最初はタコスの作り方をYouTubeで勉強しました(笑)。遊び半分ではあったけど、結構勉強にはなったと思います(笑)。

近藤さん:ただ、最終的には本が一番ためになりましたけどね(笑)。

Sample detail

タコスを提供してみて、どうでしたか?

近藤さん:実際にお店をやってみてタコスはいいな、楽だなって思うことがいっぱいあります。ピザだと生地を発酵する時間が必要なので前日に生地を作っておかなければならない。その分タコスの生地であるトルティーヤは、発酵させる必要がないので作ってすぐ出せる。器材も少なくて大丈夫なのでケータリングする際も簡単です。鉄板とトルティーヤプレスの最低2つがあればできちゃいます。

Sample detail

タコスの具材がいつも独特だなと思うのですが、レシピはどうやって決めているのでしょうか?

星さん:旬の食材を使うことを意識していますが、買い物に行った時のフィーリングです(笑)。
あとは、他のものを食べていて『これタコスにも使えそうだな』って見立てることも多いかも。今日のメニューに、さばとポテトとクミンのタコスがあります。これは、この間スリランカ人の友人宅でご飯をごちそうになった時にでてきたコロッケから思いつきました。コロッケを食べた時に、衣をトルティーヤにしてもできるなって思いメニューに追加しました。
実はタコスはしょっぱい味付けのものだけでなく、レモンカードやカスタードも合うんです。ただ、いろんな組み合わせをやり始めると止まらなくなるので、ジャンクなものになりすぎないようにだけは気を付けています。あと一応こだわりでキムチは絶対使わないと決めています(笑)。

Sample detail

Sample detail

TACOS Shopでは、タコスと一緒にお酒も提供されています。どんなラインナップがあるのですか?

近藤さん:自分が好きで良く飲むものを出しています。オーガニックワイン、冷はないですが純米の燗酒、メキシコで飲んで美味しかった蒸留酒のメスカル、あとはライムサワーです。

タコスと燗酒の組み合わせは想像できないのですが合うのでしょうか?

近藤さん:合いますよ。タコスってメキシコの食べ物みたいだけど味の構成的にメキシコのものがない。

星さん:素材は強くても味付けは強くないんです。

近藤さん:そういうのでバランス取れている。どっちも懐が深いもの同士だからどっかしらで合います。メキシコの雰囲気は残しておきたいけど、メキシコの味だけではない。

Sample detail

 

もっと可能性がある。

昨年の12月で1周年を迎えましたが、1年運営してみていかがでしたか?

近藤さん:思ったよりリアクションがあって、楽しかったです。いろんな経験をさせてもらいました。
もっと可能性があるなと思いました。お店を広げたり、違う場所でやったり。2坪でやったからこそどこでもできるんだなって思いました。

星さん:一年やって『楽しかった。』としか言いようがないですね。いろんなイベントに出店させてもらったり。それに仕事でいっぱい好きな自転車乗れたので(笑)。

これからやってみたいことなどありますか?

近藤さん:新しいお店を出したいと思っていて。どういう形でできるかなとか、この吉祥寺のお店はどうしようかなとかいろいろ考えています。誰かに任せるのかとか、毎回試す場にするのかとか。タコスではない全く違うことをするかもしれないし、タコスが続くかもしれないし。今のところは次もタコスと考えていますが、その時楽しいことができたらいいなと思います。

Sample detail

Sample detail

Sample detail

Sample detail