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似ているけど似ていない。二人だから提供できた心地よいお店。

「夫婦のお店」百人百様のストーリー。

今回は、美味しいものが溢れる街・幡ヶ谷にお店を構えるナチュラルワインとイタリアンのお店・SUPPLY(サプライ)さん。幡ヶ谷駅から徒歩4分ほど通りを歩くと現れる、ゆらゆらと風になびく白い暖簾が目を引くお店。オープンして間もないにも関わらずガラス張りの外観からは、連日多くのお客さんで賑わい楽しそうな雰囲気がうかがえます。店内にはキッチンを囲うカウンター席やテーブル席のほか、サクッと飲める立ち飲みスペースがあるのが印象的です。友人と訪れたり、思いつきでふらっと一人で立ち寄ったり、気兼ねなく自由に食事やお酒を楽しめる空気感が心地よい。
そんな、イタリアンでありながら“居酒屋のように気軽に飲めるお店”を目指す二人は、料理とワインそれぞれ担当がはっきりと分かれており、お互いに口をだすことはありません。性格も決して似ているとは言えない二人。そんな異なる魅力を持った二人だからこそつくりあげることができた夫婦のお店についてお届けします。

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二人がこのお店に持ち寄ったものは、“自分にできること”

 

隆一さんは料理の専門学校を卒業してから15年間にわたりいくつかのイタリアンレストランで、希美さんはuguisu(※)やワインバーで働いていたとのことですが、そもそもお二人が飲食で働き始めたきっかけは何ですか?

 

隆一さん:サラリーマンになりたくなくて(笑) 上司、スーツ、満員電車、髪型不自由が無理だなって思ってしまったんですよね。イタリアンはもともと特に好きだったわけではないんですが、気軽な感じがしたというか、“イタリアン”ってイタリアのお母さんの家庭料理のことで、気軽で日常の温かいイメージがあっていいなぁと。

 

希美さん:私はもともと美容師になりたかったんです。でも希望の美容室に入れなくて一年後にまた同じところを受けるつもりでした。なので、ひとまずはカフェでアルバイトしていたんですけど、それをきっかけに飲食の楽しさに気づいて、いつのまにか飲食を仕事にしようと思い始めていました。今も接客は私がメインでしています。

 

(※)三軒茶屋にお店を構え、約100種類ものナチュラルワインを揃えるビストロ。ワイン好きにはおなじみのお店。

 

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写真左:希美さん 写真右:隆一さん
お二人が着ているのは自分たちでつくったというSUPPLYのロゴ入りオリジナルTシャツ。

 

 

希美さんはなぜワインを極めようと思ったのですか?

 

希美さん:なんとなくビールや日本酒、焼酎よりもワインが好きだなって思っていて、でも21歳とかだったから味なんてわからない。 それでちゃんとワインを勉強したいなと思って入ったのがuguisu。当時10年くらい前なのでナチュラルワインという言葉もまだそんなになくて。私自身も何も知らなかったんですが、お店の雰囲気が良かったし、たまたま家も近くて、そのときちょうどスタッフを募集していたので受けてみたんです。

それでuguisuで初めてナチュラルワインを飲んだら、今まで何を飲んでも同じ味に感じていたのが、種類の違い・味の表現もわかるようになってびっくりしたんです。それをきっかけにワインをとても好きになっていきました。

 

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当時から自分のお店を持ちたいと思われていましたか?

 

隆一さん:僕自身は、20代前半には“この仕事で生きていこう”と決心し独立しようと思っていました。

 

希美さん:美容師であれ飲食であれそういったお客さんと触れ合う仕事で、何かしら自分のお店をやりたいなとは漠然と考えていました。

 

お二人が目指すのはナチュラルワインとイタリアンのお店でありながら、“居酒屋のようなお店”だとお聞きしました。

 

隆一さん:なんか、緊張するのが嫌だなって。イタリアンとワインを食べたり飲んだりするとき、肩肘を張らずにフラッと来れるようなお店がいいなと思ったからです。

 

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オープンの時間まで一人黙々と仕込み作業をする隆一さん。

 

 

お店づくりで大変だったことはありますか?

 

隆一さん:物件選びは、駅近・1階・通りから丸見え・10坪前後などいくつか条件があったので少し時間はかかりましたが、大変ではなかったですね。

 

希美さん:お店をやるうえで講習にいくつか行かなきゃいけないのはめんどくさかった(笑) 内装考えたりするのは、楽しさがあったのでそんなに大変じゃなかったです。

 

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隆一さん:基本は好きなものが一緒だから、意見の違いとかで喧嘩とかはそんなになかったです。嫌なのは嫌だってお互い言うし。
あとは、好きなお店も一緒。休みの日は美味しいものを一緒に食べに行くようにしているので、味覚も似てきたと思います。お酒の場所が圧倒的に多い。お酒を飲まない日はだいたい二日酔いのときですね(笑)

 

希美さん:居心地や空気のいいお店、お客さんと店員さんとお店の雰囲気に一体感のあるお店が好きです。

 

隆一さん:大衆居酒屋系もketoku(※)のようなビストロも大好きで、自分でお店をやるときはそういう「自分が行きたいお店」をつくりたかった。

 

(※)小田急線の豪徳寺エリアにある、uguisuに10年間勤めた店主が営むお店。気軽な居酒屋をコンセプトに、ナチュラルワイン・肉まんなどちょっとした違和感が楽しいメニューが並ぶ。

 

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2019年1月にSUPPLYをオープン。

 

 

お店は気を張ることなくリラックスして過ごせそうな空間ですね。

 

隆一さん:居酒屋っぽさをだすためにもカウンターメインでつくること、立ち飲みスペースをつくること、暖簾をかけることはこだわりました。あとは、(希美さんが)見た目もこんなんなんで、お店の雰囲気がかっちりしすぎない自由な感じがつくれたかなとは思う(笑) カッコつけない等身大の店をつくりたいですね。

 

希美さん:私は料理とワインを通じて人と人とをつなげるコミュニケーションの場をつくりたいです。

 

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どのようなお客さんがいらっしゃいますか?

 

隆一さん:年齢層的には30代半ばの方が多いです。僕より奥さんのほうが繋がりが多く、前職であるワインバーのお客さんが来てくださることもあります。あとは近所に住んでいる方。メディアの反応は雑誌よりSNSのほうが感じられます。

 

希美さん:全体的に女性がすごく多いです。女性2・3人で予約される方や、お一人でフラッと立ち飲みされる方も男性と同じくらいいらっしゃる。一人でいらっしゃる女性は立ち飲みに抵抗がないみたいです。

 

男女問わず、各々自由なスタイルで気軽に料理とワインを楽しんでいるんですね。
ところで、隆一さんが普段つけていらっしゃる個性的なエプロンが気になります・・・!

 

隆一さん:嫁のキャラが強いので、勝てないじゃないですか。だから対抗心です(笑) メルカリで見つけました。趣味、メルカリなので(笑) これは、お気に入りというか評判がいいです。

 

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10枚くらい持っているというエプロン。インパクトを重視しているそう。

 

 

隆一さんが料理をする際に大切にしていることはなんですか?

 

隆一さん:要素を少なくしシンプルにすることです。あとは、スピード。
調理をするのは僕一人なので、忙しいとどうしてもお客さんをお待たせしてしまう。だけど、お待たせしてしまうのはやっぱり嫌なので、仕込みを12時からオープンのギリギリまでやり、できるだけ早くお客さんに料理を提供できるよう努めています。

 

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前菜以外にも“すぐ出るおつまみ”というメニューもあり、隆一さんのお客さんをできるだけお待たせしたくないという配慮が感じられる。

 

 

お一人で調理しているとは思えないほどメニューが豊富で迷ってしまいますね・・・
おすすめを教えてください!

 

隆一さん:羊セロリギョーザですね。
クラシックなのも好きなんですけど、なんかちょっとふざけている感じもいいですよね(笑)
セロリを練りこんだ自家製の皮で、ラム肉を使用した餡を包んでいます。そんなに臭みは気にならないと思います。この餃子だけはオープン当初からあるのですが、いつもすぐ無くなってしまう人気メニューです。また、パスタのように仕込みさえできていれば、お客さんをあまりお待たせしないで済むんです。

 

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イタリアンのメニューに餃子があるのはおもしろいですね。なんだか親しみやすさも感じます。
他にもおすすめはありますか?

 

隆一さん:イカとミニトマトとからすみのコルツェッティです。(コルツェッティとは、直径5cm~7cmほどの平べったい円形のパスタの総称。イタリア北西部リグーリア州が発祥。専用の木製スタンプで家紋などの模様が押されている。)

 

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同業の友人からお店のオープン記念でもらったというハンコ。これをパスタに押していく。

 

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隆一さん:今回使用しているイカは、鳥取の中本さんという漁師さんが送ってくれているもの。直接取引してもらえる漁師さんをネットで『漁師さん 繋がりたい』みたいにめちゃめちゃ調べて探したら中本さんが出てきて、“魚種は指定しないので送ってもらえませんか?”と電話したことが始まりです。依頼した次の日に届くので新鮮。イカはたまに入ってくるんですが、とても美味しいんです。

 

その時々で旬の魚介類が味わえるのですね。

 

隆一さん:直接お取引するほうが値段も安いですし、漁師さんも喜んでくれるんです。珍しいものが届いたりもするのでメニューの幅も広がります。

 

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ドリンクはアルコールメニューのみなのですね。

 

希美さん:最初はノンアルコールも少しだけ置いていたんです。でも実際はそんなにオーダーもなかった。しかも、オープンして想像以上に最初から忙しくて、嬉しいことに料理もたくさんオーダーいただいたのでお酒を飲んでもらっていないと二人では回らなくなってしまって・・・。
調理はすべて一人(隆一さん)でやっているので、パスタだけオーダーいただいてもすぐお出しできなかったりするんです。なので、前菜をつまみながらお酒を飲んで、料理を待つ時間も楽しんでもらいたいという気持ちがあります。
あとは、なるべくワインも頼んで欲しいなっていう(笑) もっとワインを浸透させたいし、なるべく居酒屋の雰囲気に近づけたい。

 

ワインは苦手だという方、意外にいらっしゃる気がします。

 

希美さん:でも、今までワインって飲めなかったのに、ナチュラルワインなら飲めるという人も全然多いんですよ。ナチュラルワインはすごく優しい。
同じワインで添加物を完全に入れていないものと、ほんの少しだけ入れたものを飲み比べしたことがあるのですが、それですら味が全然変わってきます。

 

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ワインをセレクトするときのこだわりはなんですか?

 

希美さん:基本は、好きな生産者さんとか、自分が美味しいなと思ったものをセレクトしています。
すっきりも、こってりも、甘いのも全部。バランスよくいれている。
あとは、同じタイプのワインが何種類かあったとしても、リンゴっぽい感じ、グレープフルーツっぽい感じ、桃っぽい感じみたいにそれぞれの違いがわかりやすいものを意識しています。自分がそうだったんですけど、ワインをいろいろ知っていくときに違いがわかると“ああ、おもしろいなぁ”って思えたんです。

 

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お店にはどのくらいの品揃えがあるのでしょう?

 

希美さん:赤、白、ロゼ、オレンジ、同じものも何本かあったりするので何種類かはわからないですけど、多分、200本くらいあります。
一年を通じてずっとコンスタントにつくることができるナチュラルワインってなくて、数本しかとれないものばかり。だから、うちのお店の規模だと多くて1ケースとか1種類で終わり。前にこれ飲んだから、また同じものをというよりは、あのワインが好きならこれもおすすめですよみたいな。そういうのもナチュラルワインの楽しみ方だと思っています。

 

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グラスにもこだわりが込められているのですよね。

 

希美さん:ワインを美味しく感じるので木村硝子をうちでは使っています。形も可愛いですし。
その中でも“ピッコロ”を使うのは泡・赤・白、どのタイプや種類でも美味しく飲めると思ったのと、立ち飲みらしいサクッと飲める雰囲気は大事にしたかったので、そんなに立派なものじゃない方がいいなと思ったからです。

泡だとフルートグラスで出したりすることが多いけど、個人的には泡を膨らんだグラスで飲む方が好きだったんです。特にペティアン(※)やビアンコが好きなので、このくらいがちょうどいいかなっていう。

 

(※)弱発泡性ワイン。ペティアンのガス圧は1〜2.5気圧と定められている。通常のスパークリングワインはガス圧3気圧以上。

 

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木村硝子店:数々の自社デザインのグラスを製造する老舗。料亭やフレンチ・イタリアンなど様々な食のプロが愛用するグラスメーカー。

 

 

お話を伺っていると、お二人はそれぞれの役割分担が徹底されていますね。

 

希美さん:そうですね。完全に分業。料理はおまかせ。ワインに関しても何も言われないです。

 

隆一さん:(料理に関しては)完全に勝手にやっています(笑) 相談なしで決めている。

 

お互いやりたかったことと違うみたいなことにはなりませんか?

 

希美さん:それぞれ勝手にやってても、適当にわかってくる、お互いに。あ、こういうことがやりたいんだろうなって。相談しなくても、そうそうそう!それだよね!いいねいいね!みたいな。好きなものや方向性が一緒なので、お互いが好きにやっていても大幅にずれないんです。だから個人プレーができる(笑) 何人もいるお店とかだと、みんなそういうのって全然違ったりする。だから気も使うんですよね。

 

隆一さん:気楽ですね(笑)

 

希美さん:こうだったから次はこうしてみない?みたいのも二人だからすぐできる。

 

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仕事のパートナーとして目指すところや方向性が同じお二人ですが、お互いはどのような存在なのでしょう?

 

隆一さん:信念がぶれないし、僕をよく知っているんで頼りになる。だから、お店を一緒にやったら強いと思っていた。

 

希美さん:どんなに忙しくても絶対美味しいものをつくれるし、他の人より自分をさらけだせる(笑)

 

夫婦でも目指すところが違ったら一緒にはやらず、それぞれでお店をやっていた可能性もありますか?

 

隆一さん: 全然あると思います。やっぱりサラリーマンになりたくないという思いがあったので、お店はやってるとは思います。ただ、今と同じ業態かはわからないですね。

 

希美さん:あると思います。けど、一人でお店をやるかと言われたらなんとも・・・経営とか全部って思うとやらない気がします。私はちょっと適当だし、めんどくさがりやなので(笑) (隆一さんは)堅実で真面目だし抜かりない。

 

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10年後「SUPPLY」はどのようなお店であって欲しいですか?

 

隆一さん:街のチャリ屋みたいな気軽な飲み屋かなぁ。

 

希美さん:気づいたら知り合いだらけになっている気軽な飲み屋ですね(笑)

 

好きなものを共有し同じ方向を向きながらも、お二人が持ち合わせる別々の魅力がSUPPLYには溢れていますね。
それでは最後に、お二人が想う“夫婦でお店をやること”のおもしろさとはなんでしょうか?

 

隆一さん:おもしろいことはそんなないかな(笑)

 

希美さん:多分、私たちは自分のやりたいことを一緒にやれそうな人が、たまたま“夫婦”という間柄だった。 この店は、それぞれができることをだす場所なんです。

 

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